自分史を書いて運命振り返り

川柳が趣味だったおじいちゃんの句集を読み、祖父の歴史をたどるブログです。

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メニュー ★b川柳の紹介と俳句季語別一覧

蕗の香を一間に広げ誕生日 道春

 

ふきは菊科の多年草です。

春の風物詩で有名なふきのとうは、このふきの花芽で、茎が伸びる前に花が土から顔を出します。

 

 

俳句の世界でふきは、夏の季語で、初夏を表すそうです。

はえぐみ、苦みがあるので下ごしらえが必要です。

塩を振って、まな板の上で板ずりをしたり

10分くらい茹で、10分くらい水に浸して、筋をとります。

私はやったことありまへん。

お惣菜の蕗の匂いが部屋中に広がるというより

おばあちゃんが採ってきた新鮮なふきを

手際よく料理する光景が目にうかびました。

 

日常をそつなく送ることに感謝している句だと思います。

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おばあちゃんは、入院生活がとても長くなりましたが無事に98歳になりました。

 

サラリーマン

第一生命の主催する「サラリーマン川柳コンクール」の話題を目にしました。

 

社内報の一つのコーナーからはじまったそうです。

 

1987年から公募を募り、35周年。

 

父も参加したことがあり、まだ覚えてるぞ!と



上司来て 話途切れて ネタが知れ
豊之

 

と一句。

 

目線が泳いでいる部下と

疑いの目をした上役、

空気がフリーズした光景が思い浮かびます。

 

立場の低い者の生きづらさを表しているように思います。

 

こっけい、おかしみ、たわむれ

ときに涙のでることも

自分を励ます何かをつかみ、

読む人のこころも軽くする

日本人の生活の知恵のような強さを感じました。

 

今回のサラリーマン川柳は、リモートワーク

、テレワークなど、新しい働き方や世相を反映しており、たいへん面白かったです。ぜひご覧ください。

 

ここまでお読みいただきありがとうございました。
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働く足の臭いを喜ぶうさぴょん。

鎌を持つ農婦と立てる案山子かな

鎌を持つ農婦と立てる案山子かな

かまをもつ

のうふとたてる

かかしかな

道春

 

案山子が秋の季語です。

 

案山子はありませんが、

秋に、実家の稲刈りをした写真があります。


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お手伝い
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じつは‥

田んぼの端を数メートル進んでギブアップ。

 

全部父と母がやりました。

 

写真の手前にはイノシシ除けの電線が見えています。

イノシシが入ると、稲が泥だらけになります。

 

人間もぬかるんだ土に足を捕られるのも大変。

 

稲刈り前の乾燥して固まった土竹の支柱を立てるのも大変で

 

稲作たいへんだと、側で見てかんじます。

 

 

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藁がいっぱいだぁ。

 

稲から籾をとり、

籾殻をとり

玄米にすると
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160キロ弱。

二人で食べるのかと思いきや、方々に配り、無くなったようです。
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父の手が少し写っています。

 

今回の句は、「働きものじゃねー」という祖父の声が聞こえてきそう。

 

久しぶりのブログ更新でした。

 

最近、、俳句が趣味だった祖母が入院してしまいました。

 

今までも入退院を繰り返していましたが、3週間以上は初めてです。

 

一つ救いなのが、おばあちゃん、自分でご飯食べてるという。

医療関係者の方々に感謝です。

 

 

 

 

 

 

読書「名医からのメッセージ10」”ぼけ”は宿命ではない 金子仁郎著 ごま書房発行

約40年前にこの本は出されています。

 

知識を得るには認知症の最新の本を読めばいいわけですが

 

今後30年たてば

お年寄りを悩ます動脈硬化と、脳の老化の原因を突き止め

治療できる未来がくるのではと

著者の並々ならぬ期待は、こちら側をわくわくさせ

認知症を患う人とその家族に寄り添う言葉には、ほっこりしました。

 

題名は昭和59年(1984年)、出版された当時の使われていた言葉を使っています。

 

ここからは認知症ということばに置き換えたいとはおもいますが

 

「自分がボケる前に、この病気を解明したい。」

 

というのが講演会での十八番で笑いをとっていましたが、これはマジなんだとせんせい。

 

町役場の戸籍課で、60歳以上の人の名前と住所を調べ、1軒1軒訪問して面接調査や心理テストをお願いし、心身の健康度やボケの程度を調べるわけですが、これが予想以上に大変でした。(作中より引用)

今では考えられないちょっとびっくりな調査方法です!執念ですね。

このような実態調査は先生がはじめてだと書かれていました。

研究費がなくて、紙とエンピツと頭だけでやれる研究しかできなかったそうです。

 

そこで家族から必ずと言っていいほどでてくる言葉があります。

「まだボケる年齢でもないのに・・・お隣のおじいちゃんなんか、同じ年齢なのに足腰も頭もしっかりしていらっしゃるんですよ」(引用)

 

そうなんです、個人差がとても大きい病気だと言えるんですね。

おおよその目安として、60代ではせいぜい1%以内、70代になると3~4%、80歳以上ではやはり20%ぐらいと考えてほぼ間違いないと思われます。(引用)

 

著者の年齢は、当時69歳。まだまだ若いと思いますが、

知能テストでは高校生、大学生にはかなわない。私たちの年齢になると、彼らの60%もできません。にもかかわらず、私が講義をしたり、本を書いたりできるのは、自分の専門領域を一生懸命やっているからだと思います。(引用)

豊かな知識と経験の蓄積が年配者の強みで、それが失われてきたとしたら、知能はだんだん衰えていくという危機感が先生を支えているように感じました。余談ですが、先生は、脳の神経細胞は増えないと書かれていましたが、最新の研究では増えるそうですよ。

 

ここからは箇条書きになりますが...

お年寄りの心理はとてもさびしい。

同世代の人々が亡くなり人間関係が狭まること。

人格の先鋭化、若いころの性格がよけいにきつくなること。

視力、聴力が弱まり家族の中でも孤独になりやすいこと。

何か悪口を言っていると感じるそうです。

 

 

そして家族にできることがあります。

異変をかんじたら専門医に相談することです。

認知症による失禁は就寝時にはじまることが多い。

昔話をきいたり、一緒に歌をうたったり、時間をかけてお年寄りの不満や劣等感を聞き、信頼を得ることが若い人にできることで、

過保護や、じゃまもの扱い、たらいまわしなど若い人とお年寄りの心理がうまく噛み合っていないことに問題はおこるようです。

 

祖父は晩年認知症を患っていましたが、とても穏やかな性格はそのままだったように思います。ここまでお読みいただきありがとうございました。

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吟行句 まつかぜ句会 平成14年5月

旅行の楽しい季節となりました。

今からご紹介するのは、旅先で詠んだ吟行句です。

 

5月の下関、唐戸で

俳人仲間と集うなごやかな雰囲気が漂う俳句。

祖父が所属していました〈まつかぜ句会〉の在りし日を想います。

 

唐戸吟行句

クレーン船夏潮曳いて通りけり 恵美子

クレーンの海をつかみし大西日 零三

クレーン船と撮る海峡の薄暮かな 道春(祖父)

ひとりでは迷う買物街薄暮 まつ子

ふぐの名所の絵柄に薄暮来る 節子(祖母)

にも物語あり義経忌 良江

もてなしはより重い柏餅 北星

五月尽馬関を盛し大絵 零三

夏祭ギネスをねらふ大絵 恵美子

幽界の雷の落し目玉石 零三

先を行く少年のまづ夏に入る まつ子

廃校に立ち万緑の底なりし まつ子

手話のと一と日遊ぶ甲虫 まつ子

空豆を大箱に買う美しき(はしき) 恵美子

海峡の恋人灯台枇杷熟るる 節子(祖母)

かもめ翔ぶ指呼の門司港風光る 浩一

 

吟行ご協力有難うございました 零三

 

以上は

平成14年5月の会報で

点数の高い句の順に紹介されたものを

わたしが入れ替え紹介させて頂きました。

 

原本には誰がどの句に点数を入れたかまで詳細に書かれていました。

 

7人で採点し、自分の句には点は入れないシステムみたいです。

6点満点 満場一致の高得点をとった句は

釜飯の蓋押し上げて蟹の爪 良江

でした。

お昼にみんなで食べたのかもしれませんね。

 

5点で2位は 

もてなしは皿より重き柏餅 北星

 

でした。

 

同じ景色を見ると、しぜんと俳句に出てくる言葉も重なり合い

「あなたの句もいいね。」と会話をしているように思います。

 

 

ここまでお読みいただきありがとうごさいます。

 

 

感想 「ナースのための話し方教室」 著者 小六英介 日本看護協会出版社

わたしは、ナースではありません。

最初にことわっておく必要は特段ないのですが

話し言葉の研究をしていた著者の小六英介(ころくえいすけ)さんも

ナースの立場ではなく患者の立場から書かれているので

とても読み易い本でした。

 

「医療の根幹には3つの要素がある。剣、草、ことばだ。」という古代ギリシャの医師の言葉を引用し、メスやくすり、そして人のことばが患者の治療に大切だといいます。

 

時に、ドクターの言葉をかみ砕いて患者や家族へ説明したり、

注意して見てもらいたい事象を別のナースへ伝えたり、他部門とのカンファレンス(会議)の進め方についてなどいろんな場面を想定して書かれています。

飛び抜けてうまくなくともよいのです。上手に話すのではなく、心に届くように説明することが大切なのです。(作中より引用)

若いナースを想定した教則本ですが、自分にとっても勉強になりましたし、励まされました。

 

かいつまんでお話させていただくと、

日本語というのがそもそも、「一を聞いて十を知る」ようなところがあり、省略しても相手が察して話が進行することが多く、くどくど説明するのが野暮だという価値感があるそうです。その典型が俳句で

わずか十七音字で眼前の事象を描写し、ワビ・サビといった境地まで覚(さと)らせるのです。その俳句に接した人の言語感覚や理解度に、大きくまかせられていると言えるでしょう。(作中より引用)

筆者は、俳句を例にしたからといって、俳句が嫌いというわけではないと付け加えていました。それは良かった。

 

自分の言わんとしていることを相手に伝えるには、自分の見てきた絵を、誤りなく別の人に書かせることに似ているそうです。

 

どんな顔の人の絵か、笑っている顔、泣いている顔あります。

 

「すぐに書かずにまず聞いてください。今から人の顔をかきます」とまずお願いするところからはじまります。

 

①まず輪郭から、

「丸顔です。」

②それから、部分へ、

「目は丸です。鼻は四角で、口は漢数字の4。

耳は算用数字の3で、左耳は左右反転していること。

耳の位置は目の高さです。」

③しめくくり、

「人の顔の絵の説明を終わります。」

 

人の顔というよりロボットのような顔のできあがりです。

 

はなしの筋道もそれとおなじく、結論からはじまり、今の時点での結論でもいいし、それから具体的な事柄、そして要約、ポイントを繰り返すというお話でした。

 

滑舌をよくする母音のトレーニング方法、息が足りないから語尾が消える、5メートル前方に息を吐く、ワンセンテンス5秒。舌を下の前歯に少しつけてサシスセソ、舌がベタっと上あごにつくとダ行音と混濁するため、タ行音は、上あごをツンと軽くたたくつもりでなど色々テクニックがあり、薄い冊子ながら読み応え十分でした。

       

ここまでおよみいただきありがとうございます。

 

 

 

 

感想 「話し上手」著者 本明寛 発行元 日本生産性本部

けっこう癖のある文章だと思いませんか?

 

 

心で話せ

人間の人間たるゆえんは、自己以外の人に対して、やさしい眼差をもつことである。

 

相手を思い、相手を察して話さねばならない。

コトバは道具であり、絵の具である。コトバをいえば話が通じるというわけにはいかない。

コトバは使い手の心のあらわれであって、どうとも感じられる素材なのである。(中略)

うまい絵にはならないが、この調和の具体的なやり方をこの小著はとりあげたつもりである。

〜作中より引用〜

 

 

図書館でたまたま目につき、この裏表紙の言葉に惹かれました。むかしの人の正義感のような、祖父のようなまなざしをかんじます。

 

筆者は、心理学を教える早稲田大学の名誉教授でした。

 

もし、大学の教授ではなかったら、トレンディドラマの脚本家か、小説家になれるのではないかと思う程、会話のシーンを細かく再現して本書は始まります。

 

落語を聞いている様だと言う生徒さんもあったようです。

 

日本健康心理学会の初代理事を務め、こころを健康に保つこと、精神的成長を目指す自己啓発本の著書は多数。

 

簡単にかいつまんで書きますと、

こころの部分には、3つの顔があるという先生の持論がありました。

 

この考えは、カナダ生まれの医学者、交流分析学のエリックバーンの考えを汲むそうです。

 

親分のかお

 5歳までに両親に刷り込まれたもので、生涯を通した行動基準

そうすべきである、そうしなければならない、大変なことになるぞ(おどし)

 

子ども分のかお

 こどもっぽい情動的な表現

ほしい、してちょうだいという欲求を通せない欲求不満感、わがまま、甘え、敏感、感情的に受け取る態度

かっときたね、よくわからない、ぼくにできるわけがない、かわいそう

 

おとな分のかお

 自分で考え選択した社会経験に基づく考え

 見通しの力がある、

 相手に自信をもたせる、激励する答え方

 社会的役割や職業による発言

 何がいつだれがどうなっている、事実は‥

 

親分の心が良いとか、子ども分の心が悪いという訳ではなく、おとな分の心で話す分には、会話がスムーズになり、問答無用な決めつけや、感情的な反応は、お互いの気持ちが交錯して、対話の不快さを招くというおはなしでした。

 

どの顔も皆持っているんですよね。

あなたも私もともに良いという関係にもっていけたら、きもちいいようです。

ここまでお読みいただきありがとうございました。