自分史を書いて運命振り返り

川柳が趣味だったおじいちゃんの句集を読み、祖父の歴史をたどるブログです。

にほんブログ村 ポエムブログ 川柳へ
にほんブログ村

メニュー ★b川柳の紹介と俳句季語別一覧

95ふゆ支度

旧住所で来る宅配も師走かな

きゅうじゅうしょで

くるたくはいも

しわすかな

節子

(師走、冬の季語)

 

送るふぐ来る栗こころ届け合い

おくるふぐ

くるくりこころ

とどけあい

道春

(ふぐ、冬の季語、栗、秋の季語)

f:id:ohid:20201014161042j:image

お歳暮を思わせる俳句。

先週10月のはじめにはカタログが届いていました。

冬の準備がもう始まっています。

 

 

 

94きび

黍の穂や生家は古き屋根瓦

きびのほや

せいかはふるき

やねがわら

節子

 

f:id:ohid:20201013053226j:image

法要も無事に済ませし黍畑

ほうようも

ぶじにすませし

きびばたけ

道春

f:id:ohid:20201013053812j:image

 

黍は、秋の季語です。

もしかしたら、愛媛に帰省した時に詠んだものかもしれません。

俳句と川柳は、祖父母の共通の趣味でした。

同じテーマで並べると、二人が互いに褒め合っているようです。もう、そこで完結していて、投句した句が入選しても、しなくても幸せのように感じました。

93重機

f:id:ohid:20201013050217j:image

hanacoさん提供

コスモスや首を憩めしショベルカー

コスモスや

くびを

やすめし

ショベルカー

節子

(コスモス、秋の季語)

 

蒲公英の村を消しゆくブルの音

たんぽぽの

むらをけしゆく

ブルのおと

道春

(蒲公英、春の季語)

f:id:ohid:20201013050243j:image 

TokyoSunnyさん提供

コスモスは秋桜と書きます。蒲公英は思いっきり春。季節は違いますが、重機というテーマで並べてみました。

コスモスの生命力、たんぽぽの儚さを感じました。

 

このブログを一番読んでくださっているのは、母の友人、はてなブログのブロガーさんです。

本日もここまでお読み頂きありがとうございます。

 

父と母は、誤字脱字を校正する役です。

世に出てからですが、助かっています。

写真がいいでしょ?

photoACというサイトで、提供して頂きました。

 

92松尾芭蕉の旅その後

8.9月号のJAFメイトには、

 

『経年劣化と無縁の、日本の風景』と題して、

 

美しい最上川の写真と、

本の紹介

「子規の音」森まゆみ(新潮社)

 

という明治期の俳人正岡子規を題材にした本の書評がありました。

 

この書評がまた、うつくしいです。

書かれたのは「八日目の蝉」を書かれた作家の角田光代(かくたみつよ)さん。

 

著者の森まゆみさんが、100年以上の時間差を越えて、子規に寄り添うように東北を旅する、紀行文に感動されていました。

 

句や歌というのは、目の前の「今」という瞬間を、季節や気候やにおいやもの音、すべてをひっくるめた光景を切り取り、真空パック状態で保存する。

 

真空パックとは、すごい。言い得て妙ですね。

 

旅をしたのは、東日本大震災のあとの2014年。2011年、JAFメイトで東北の記事を読んだ直後に、あの震災だったと記憶しています。

大変なことが起こったと思いました。

作中では、100年前と変わらず、時の止まった東北の風景が見られるそうです。

 

松尾芭蕉さんがどこに絡んでくるか、

その時代神格化されつつあった芭蕉の句を、評価しなかったのが正岡子規さんらしいのです。

 

おくの細道をする。

 

芭蕉の軌跡を正岡子規も旅します。

影響を与えたことには違いありません。

f:id:ohid:20201010144346j:image

91なんまいだ?

 

「一枚だ、二枚だ、三枚だ〜」

 

そう歌いながらお堂の掃除して、お寺の関係者に怒られたやえさんを思い出します。1986年(昭和61年)、第36作連続テレビ小説「はね駒」の再放送もおわって久しいのですが、画面の中の樹木希林さんのコメディーなのかと思わせておいて、芯のあるシリアス演技は素晴らしかったです。

 

本日は、仏教用語の入った句を紹介します。

 

弥陀の目の届く参道石蕗咲けり

みだのめの

とどくさんどう

つはさけり

道春

(石蕗、冬の季語)

f:id:ohid:20201010131432j:image

弥陀(みだ)は、阿弥陀の略です。

仏壇の御本尊は宗派によって違いますが

浄土真宗のうちの仏壇は、阿弥陀如来だそうです。

掛け軸タイプと仏像タイプあります。

 

 

お経の中で、南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)というのは、南無は、サンスクリット語からきており、帰依すると解釈されるそうです。

阿弥陀如来を心の拠り所にしますという意味らしいですよ。極楽浄土に連れて行ってくださる有難い仏様です。もし、地獄に落ちたとしても、お地蔵様が、助けてくださるそうです。

 

冬の日に、阿弥陀如来を祀ったお寺の参道を足元を見ながら、ゆっくり足を運ぶ祖父を想像しました。

90松尾芭蕉の旅その3

祖父の川柳、俳句をもっと知りたいと、探求していたら、奥の細道にいきつきました。

字幕放送をまとめたサイトを見つけ、それよりかいつまんでみました。

 

松尾芭蕉は、江戸時代 、農家の次男だったため10代で武家奉公に出ました。

 


その武家とは、幕府老中の親戚すじにあたる藤堂家。その一族、良忠に出会い、芭蕉の運命もかわります。。


お世話をする中で、良忠の趣味の「俳諧」にのめり込んでいくからです。


良忠は蝉吟(せんぎん)という俳号でした。

 

後に詠まれた

 

閑かさや岩に染み入る蝉の声

芭蕉

 

この句は、蝉吟を思って作った句ではないか。

ということを一つ言われていました。

 

良忠が亡くなっても俳諧を続けた芭蕉は、奉公先を出て、日本橋に家をかまえ、句会を主宰する俳諧師になります。

 

また、神田上水の施工に携わり、明治に新しい水道ができるまでの300年間江戸の人々の喉を潤したとあります。

 

水道請負=政治とも精通していたのではないかということです。

 

その証拠に、奥の細道に同行した曽良は、幕府の要人として雇われるそうです。

 

行春や鳥啼魚の目に涙

蛤のふたみにわかれ行秋ぞ

芭蕉

 

この旅に出るときと、終わりに詠まれた俳句を並べて、芭蕉の変化をみるとき、

 

重いのをいかに軽く詠んでいくか。

 

 古典へのオマージュ、漢文など難しいことを基礎としている部分もあった世界に、

すべてのものがながれていく、その中で必死に生きている。

そのことを瞬間瞬間捉えようと、俳句にこめたのが芭蕉なのではないか。

 

「軽み」は、テレビが最たるもので、

「高く悟りで、俗に帰れ」と芭蕉が言うように

固い古文書では世の中には広がっていかない。テレビがやっていかないと。。

しかし、軽みは誤解も生みやすい。という

最後はその加減のむずかしさを説いていました。

f:id:ohid:20190922003819j:plain

 

 

 

89松尾芭蕉の旅その2

私は、NHKの回し者ではありませんが最初に告知です。

松尾芭蕉さんの「おくの細道」への道という番組が放送されます。全行程、600里(約2600キロ)を150日間。

 

英雄たちの選択「“奥の細道”への道~松尾芭蕉 五・七・五の革命~」

[BSプレミアム]
2020年10月7日(水) 午前8:00~午前9:00(60分)

俳諧を一流の文学に高めた“俳聖”松尾芭蕉。だが、実際の芭蕉は江戸で水道工事の請負人をつとめ、さまざまな職業や身分の人々と幅広く交流した俗人でもあった。そんな芭蕉の代表作が『奥の細道』。東北へと旅立った元禄2年は幕府と仙台藩が鋭く対立していた時期。歌枕を巡る他に何か目的があったのか?そして旅を通して芭蕉が到達した新しい俳諧の境地とは?“俳聖”以前の芭蕉に光をあてながら、謎に満ちた名作を徹底解剖!

番組ホームページより引用しました。

 

 

 

ここで、俳諧(はいかい)という言葉。 こっけい、おかしみ、たわむれという意味合いをもちます。

俳諧連歌(はいかいれんが)ともいい、最初の人が五・七・五でよんだ句に、次の人が七・七の句をつなげ、その次の人が五・七・五とつなげて作っていく連歌を、より庶民的にアレンジしたもの。

連歌は、古くからあり万葉集8巻の尼と大伴家持の歌が文献上はじめて出るそうです。

 

俳句と川柳のなりたち

連歌の最初の五・七・五を発句(ほっく)といい、最初の挨拶の句とも、お題とも言える部分には、季語を入れることが多く、約束事になりました。

 

この発句だけが独立して出来たものが、のちに、俳句と言われるそうで、起源は松尾芭蕉さんにつながります。

 

この俳諧を学ぶところで、先生が、五・七・五・七・七の「七・七」だけ作って、生徒が「五・七・五」を作る練習から、川柳が発展しました。名前の由来は、柄井川柳(からいせんりゅう)という句の選者が有名だったところから来ているそうです。

 

ここまで、お付き合いくださりありがとうございました。

今回も、学研教育出版発行の絵で見てわかるはじめての古典⑩おくのほそ道・俳句・川柳を参考にしました。

f:id:ohid:20201004094230j:image