自分史を書いて運命振り返り

川柳が趣味だったおじいちゃんの句集を読み、祖父の歴史をたどるブログです。

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メニュー ★b川柳の紹介と俳句季語別一覧

夏の句

吟行句 まつかぜ句会 平成14年5月

旅行の楽しい季節となりました。 今からご紹介するのは、旅先で詠んだ吟行句です。 5月の下関、唐戸で 俳人仲間と集うなごやかな雰囲気が漂う俳句。 祖父が所属していました〈まつかぜ句会〉の在りし日を想います。 唐戸吟行句 クレーン船夏潮曳いて通りけ…

南風吹く山懐の奇兵墓地

みなみふく やまふところの きへいぼち 道春 南風(みなみ・なんぷう・はえ)と様々な読み方があり、南風吹くが三夏、5月6月7月使われる季語です。暑く湿っぽい風です。 奇兵隊というと、武士のみならず、町人、農民などで組織され、小倉城を攻めたり、長州…

外燈の昼を灯して送り梅雨

外燈の昼を灯して送り梅雨 がいとうの ひるをともして おくりつゆ 道春 送り梅雨が、晩夏の季語です。 梅雨(ばいう)は、かびをはっせいさせるあめ黴雨(ばいう)の当て字など諸説あります。 花菜雨(はななさめ)や芥子の雨(けしのあめ)のように、季節の…

紫陽花の風の運べる童声

紫陽花の風の運べる童声 あじさいの かぜのはこべる わらべこえ 道春 梅雨入りが聞こえてくる頃、雨の止んでいる間も、空はなんとなく薄暗い。 気分も憂うつであるが、あじさいのそばであそぶ子供の声は、からっと明るい。 笑い声まで聞こえる、そのような風…

塀越しに話のはずむ百日紅(さるすべり)

塀越しに話のはずむ百日紅 へいごしに はなしのはずむ さるすべり 道春 サルスベリが、夏の季語、中国原産、百日紅(ひゃくにちこう)とも言われ、花期が長く、人気の庭木でもあります。 紅色だけでなく 白色も。 ひと皮剥けたすべすべした幹が特徴です。 し…

時計きょう時の記念日見直され

時計きょう時の記念日見直され とけいきょう ときのきねんび みなおされ 道春 この句は、6月10日の時の記念日を題材にした川柳です。 この記念日は、671年(天智10年)6月10日、日本ではじめて水時計により時を鐘で知らしたという日本書紀の故事に由来します…

永雨やひと日暮れゆく桜桃忌 節子

永雨やひと日暮れゆく桜桃忌 ながあめや ひとひくれゆく おうとうき 節子 桜桃忌とは太宰治の忌日。夏の季語です。 さくらんぼが登場する小説から名前をとったようです。 ohid.hatenablog.com

山神の棲む参道の柿若葉

山神の棲む参道の柿若葉 やまがみの すむさんどうの かきわかば 若葉の美しさは、参道を通る祖父の目を引いたようです。黄緑色をした新しい葉っぱに、神々しいものを感じたのかもしれません。 わたしは、ちょっと衣をつけて、天ぷらにして塩で食べたら美味そ…

83思い出ぽろぽろ

何処かにたいせつな忘れ物をしたようで ひっそりと秋 という歌詞を合唱団に所属していた小学生の頃にうたいました。 忘れ物をするなんておっちょこちょいだな、私以外にもいるもんだ なんて考えながら歌っていましたが、今ならそのさみしさの意味がわかるか…

72結婚記念日

宮家嗣ぐ十二単も梅雨の頃 みやけつぐ じゅうにひとえも つゆのころ 節子 現在の天皇皇后両陛下よりも弟さんの方が先に結婚されました。 平成2年6月29日、昭和天皇の喪が明けた翌年、慶事として人々によろこばれ、秋篠宮家(あきしのみやけ)が生まれた、そ…

70自分史を書いて運命振り返り

今回は、季重ね(きがさね)の句を紹介します。 鴎外居より鯉の町夏匂ふ おうがいきょより こいのまち なつにおう 道春 夏という言葉がそのまま夏の季語です。それから鯉も夏の季語でした。2つ季語が入るのは、素人がやってはいけないことらしく、難しいとさ…

㊲自分史を書いて運命振り返り

今回は、紹介しそびれた俳句です。 浜木綿(はまゆう)の沖賑はへる遊漁船 河野節子 はまゆうとは夏の季語です。白い花を咲かせます。 花南瓜(はなかぼちゃ)這わせ長屋に住み古りて 花茄子や三男四女欠けず居り 花蘇鉄(はなそてつ)新居に僧を迎えけり 河野草花…

㉙自分史を書いて運命振り返り

一枚の畑遊ぶなし夏薊(なつあざみ) 耕運機朽ちし島畑蝶とべり 1970年(昭和45年)から始まった減反政策は、2018年(平成30年)に廃止されました。1960年代には米が余る時代になったので、国が関与して、米の生産調整をしていました。最近は、耕作をやめた棚田を…

㉘自分史を書いて運命振り返り

無柱化の街にすすみて半夏生(はんげしょう) 道春 今回は、半夏生という季語が出てきました。暦について、考えてみたいと思います。4つの四季の移り変わりは何を目安にしているのでしょう。 日本や中国の伝統的な太陰太陽暦では、立春(りっしゅん)、立夏(りっ…

㉗自分史を書いて運命振り返り

愛されてハイビスカスの咲きつづく 道春 じりじりと太陽に照らされる中、ハイビスカスが凛と咲く姿が思い浮かびます。夏バテ気味のあなたに、夏は短い、楽しんでといっているようです。 気紛れな虫が食事の灯にあばれ 道春 キャンプ場の電灯の下や、網戸に寄…

㉕自分史を書いて運命振り返り

梅雨があけたら、何をしていたのか分かる川柳を紹介します。 路地に紫蘇売り手梅干す頃なりし 節子 手作りの梅干しは、とても酸っぱい記憶があります。 青い梅の実を黄色くなるまで追熟させて、ヘタをとってから、重石を使って塩漬けにし、梅雨があければ、3…

㉒自分史を書いて運命振り返り

お題「最近知った言葉」 祖父の句集のあとがきの隅に、季語の索引があります。その中にある夏の季語の桜桃忌という言葉が引っかかりました。祖父の俳句は、 書き綴る雨の書斎や桜桃忌(おうとうき) 河野草花(道春) とあり、梅雨に、家の中の書斎で過ごすのも…

⑱自分史を書いて運命振り返り

昨年の7月7日は本当に大変な1日でした。よりによって七夕の日、1年の月日の流れど、あの1日だけは、記憶に新しいです。 反対に雨が降らないという時に作った句を紹介します。 旱魃(かんばつ)の祭り寂しく終へしとう 里の便りを繰り返し読む ~母の鉛筆の字は…

⑬自分史を書いて運命振り返り〜夏〜

夏休みが近づくと、そわそわと浮き足立つのは、こどもだけかもしれません。 夏休み過ぎて虫たちほっとする 父 私の父も川柳を作っています。勤めている社内報に川柳を投稿し、祖父は毎号喜んで読んでいました。 抱き上げた子供の笑顔天下無比 伸びた影引きず…

⑫自分史を書いて運命振り返り

祖父は、妻を病気で亡くしたあと再婚します。私は、成人するまで、その事を聞かされていませんでした。ブログを綴ると、祖母二人がいて、今の自分がある事を再認識しています。 2人目の祖母は、とても料理が上手で、生協で、一週間の献立を考え、何を注文し…