自分史を書いて運命振り返り

川柳が趣味だったおじいちゃんの句集を読み、祖父の歴史をたどるブログです。

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メニュー ★b川柳の紹介と俳句季語別一覧

春の句

一願の鐘ならび撞く彼岸寺 道春

一願の鐘ならび撞く彼岸寺 いちがんの かねならびつく ひがんてら 道春 彼岸寺は仲春の季語です。 しかし、秋彼岸と付くと、秋の季語です。 彼岸とは、2回あるんですね。 春分の日と、秋分の日を中心に前後3日、トータル7日間を彼岸というそうです。月でい…

箒目の沈丁匂ふ茶会かな 節子

箒目の沈丁匂ふ茶会かな ほうきめの じんちょうにおう ちゃかいかな 節子 沈丁花は春の季語です。 ほうき目のついた庭が見えて、沈丁花が香るステキな席だったようです。 もう一つ。 春告げる匂いしずかに沈丁花 はるつげる においしずかに じんちょうげ 道春…

春雪(三春)

新婚の旅の写真の一枚は春雪白き阿蘇を背にして 〜妹 旅先より写真を送ってくる 道春 五七五七七なので、短歌です。 俳句は、江戸時代に生きた松尾芭蕉が生みの親だと言われていますが、短歌は古くから読まれていたようで、古い歌をもとにして作られた句を本…

風光る七盛塚に巫女の笛(三春)道春

祖父の平家に関する句を集めました。 風光る七盛塚に巫女の笛 かぜひかる ななもりつかに みこのふえ 道春 赤間神宮の境内奥に、七盛塚と呼ばれる墓所があります。平氏の盛がつく方七人が眠っているそうです。墓所にも明るい春の光や音が響いたようです。 源…

建立の歌碑の一首や豆の花(春)道春

建立の歌碑の一首や豆の花 こんりゅうの かひのいっしゅや まめのはな 道春 歌碑の一首に豆の花がうたわれていたというだけかもしれませんが、 歳月を越えてそこにある趣きを感じます。 何処かに今もあるのでしょう。 祖父に何処か聞きたくなります。意外と…

初蝶や武蔵運びし潮寄せ来(春)道春

初蝶や武蔵運びし潮寄せ来 はつちょうや むさしはこびし しおよせき 道春 武蔵国(むさしのくに)という地名は、現在の東京都、一部の埼玉、一部の神奈川を含む領域に相当するそうですが、潮が運ぶというのは合点いきません。もしかしたら、武蔵国から名前を…

藤房の奥に覗ける石ほとけ 節子

藤房の奥に覗ける石ほとけ ふじふさの おくにのぞける いしぼとけ 節子 祖母は、おくの細道ではありませんが、物ごとの奥に何があるかを見ようとしている気がします。 ここからは祖母の日記です。 お父さんは近頃少々具合が進んだようだ。 くすりも2年間位…

境内の倭船にあそぶ木の芽風(三春)道春

境内の倭船にあそぶ木の芽風 けいだいの わせんにあそぶ このめかぜ 道春 木の芽風が三春の季語です。 七福神の乗った舟が穏やかな春の香りを運んでくるようなよい風景を思い浮かべました。 また、タケノコに、山椒の芽を和えたものなど、春の香りがする料理…

伐採の斧ゆきわたり山笑う(三春)道春

伐採の斧ゆきわたり山笑う ばっさいの おのゆきわたり やまわらう 道春 クワでタケノコをとる写真です。 ここまでお読み頂きありがとうございます♪

枸杞の芽や干し物移す谿住居(仲春)道春

枸杞の芽や干し物移す谿住居 くこのめや ほしものうつす たにじゅうきょ 道春 枸杞の芽が仲春の季語です。 谿は、たにと読み、祖父の家も山の谷間にあります。 また、増改築をして母屋と別棟の屋根が交わり、窪んだ場所がある家を、谿住居とあらわしたのかも…

打診待つ人へ燕の巣作れる(仲春)道春

つばめは、家の玄関やお店の軒下など人通りの多いところに巣をつくり天敵のカラスから身を守っています。 逆にいうと、つばめの巣をかける場所は、人通りが多いので、商売繁盛や、家の繁栄の印とされていました。 燕に関する言い伝えは様々あります。 巣つく…

桑摘みしことも遠き日蚕種(さんしゅ)の碑 (晩春)道春

日本の暦では、3月のことを弥生(やよい)という和風月名があります。 草木がますます生い茂ってゆくといういみです。 また3月は、蚕月(さんげつ)ともいわれ、養蚕がはじまる時期だそうです。 餌である桑の葉がよく採れ、暖かいころ春蚕、夏蚕、秋蚕と、晩…

つばめ来て宿場に残る牢屋塀(仲春)道春

つばめ来て宿場に残る牢屋塀 つばめきて しゅくばにのこる ろうやべい 道春 牢残る踏み絵の島に怒涛寄す ろうのこる ふみえのしまに どとうよす 道春 豊臣秀吉は、バテレン追放令を出しましたし、江戸時代、鎖国とともにキリスト教を禁止し、正月の行事とし…

蛇穴を出て発祥の維新の碑

蛇穴を出て発祥の維新の碑 へびあなを でてはっしょうの いしんのひ 道春 蛇穴を出るは、啓蟄のひとつです。この時ばかりは、嫌われがちな蛇も春を象徴する喜びごとに詠まれるそうです。 啓蟄、拝啓によく似た字ですね。間違えやすいので、解説しましょう。 …

とりあえず手土産と也し目刺かな(三春)道春

とりあえず手土産と也し目刺かな とりあえず みやげとなりし めざしかな 道春 玄海の潮の残れる焼き目刺 げんかいの しおの のこれる やきめざし 道春 目刺しという名の魚はおらず、塩味をつけたイワシの目を棒や紐で刺し、日中7時間くらい吊して水分をとば…

近道の札所につづく杉の花 (初春)節子

近道の札所につづく杉の花 ちかみちの ふだしょにつづく すぎのはな 節子 杉の花、これも春の季語なんですね。 上の写真は、スギのなかまメタセコイヤの木なんだそうです。巨木にパワーをもらいたいところ。 上の句には、ある春の日、たとえ急でもいい、近い…

さくら(晩春)

さくらは梅ほどは詠まれていませんが、祖父母それぞれつくっておりました。 山桜窓一っぱいにミシン踏む やまざくら まどいっぱいに ミシンふむ 節子 窓枠が額縁になった良い景色に、創作意欲もかき立てられたようです。 祖母は、働きながら、洋裁の学校に通…

56訪ね来し塚に届けり花菜風(晩春) 道春

菜の花の子季語として、花菜(はなな)とあります。 56訪ね来し塚に届けり花菜風 たずねきし つかにとどけり はななかぜ 道春 塚は、人の手により周辺より小高くした場所。史跡を訪ね、春の風を感じたようです。 57菜の花や訪ふ出雲路の一と日旅 なのはなや …

54神鶏の語尾にふくらむ松の花

54神鶏の語尾にふくらむ松の花 (松の花・晩春) 神鶏は、しんけいと読み 神社に飼われているトリくらいに思っていたらいけないようです。 古くは神話に登場、天照大御神(あまてらすおおみかみ)が岩の戸の中に閉じこもった際、他の神々に夜明けを告げるよ…

49耕運機朽ちし島畑蝶飛べり(三春)道春

今回は、はたけをテーマに紹介します。 登場するのは 耕運機 鎌(かま)に 鍬(くわ)です。 スコップも写ってます。 49耕運機朽ちし島畑蝶飛べり こううんき くちししまはた ちょうとべり 道春(蝶・三春) こちらは、以前紹介した句です。 おじいちゃんの…

48木仏の片肌脱げる春の雪 (三春)道春

48木仏の片肌脱げる春の雪 きほとけの かたはだぬげる はるのゆき 道春 山口県は、本州の西のはし、瀬戸内海、日本海に面しています。 暖流の黒潮の影響が有りますが今日は寒いです。 祖父の句は、本来なら動くはずのない仏様の着物まで脱げてしまいそうなほ…

44春禽の来ている朝の葱刻む(三春)道春

44春禽の来ている朝の葱刻む しゅんきんの きているあさの ねぎきざむ 道春 タカやワシを猛禽類といいますよね。禽とは、鳥のこと。春禽は春の鳥です。 海を渡り、 繁殖時期をむかえたり、羽が抜けかわり 様々な声色で鳴く活気のある春の鳥をさしています。 …

41山寺の手押しポンプや梅白し 道春

41山寺の手押しポンプや梅白し やまでらの ておしぽんぷや うめしろし 道春 42梅に来し小鳥のこぼす花三片 うめにきし ことりのこぼす はなさんぺん 節子 初期の作品集から祖父母の作品を並べてみました。春めく風景を切りとり、愛おしんでいるようです。花…

38 春風がハンドル軽く握らせる(春)道春

今週のお題「チョコレート」 39冒険をしたい十代車間縫う 道春 10代未満です。 昨日、義理の父にチョコレートを渡しましたら、自分で買われていました。 父「このクルマが、欲しかったんだよ。小さい時、憧れてね。」 私「お父さんの為に作られたようなもの…

ふりかえり♫

祖父の春の俳句を数えていたらあと30句ありました。 余裕をもって、過去のブログを紹介します。 きのうは、まだ、3分咲きの梅を紹介しました。 35父の跡継ぐ禰宜も老い梅白し 道春 去年は、3月に紹介したことを思い出します。 ohid.hatenablog.com 36よく…

33小路を出て曲る武家町梅三分(春)道春

今回も梅の俳句です。 33小路を出て曲る武家町梅三分 こじをでて まがるぶけまち うめさんぶ 道春梅の木の三割くらい花が咲き、七割はつぼみ。 まだ開ききっていない梅を詠んでいます。 なぜ割咲きではなくて、分咲きなのかNIKKEIの記事を読むと面白く、江戸…

31百度石踏む人のゐて梅冷ゆる(春)道春

今回は梅を詠んだ句を紹介します。 31百度石踏む人のゐて梅冷ゆる 道春 おじいちゃんの字です。今回は下から2番目。 下五が分からず、想像で冷ゆると書いています。 踏むとは、足で上から押しつける意味もありますが、 ここでは、お百度参りを経験することで…

30 手のひらのいりこの匂ふ西行忌(仲春)道春

手のひらのいりこの匂ふ西行忌 てのひらの いりこのにおう さいぎょうき 道春 西行忌が春の季語です。 西行さんについては、 以前、目崎さんの著書 「芭蕉のうちなる西行」 で紹介しましたが、 見事な往生と伝説になっています。 亡くなったとされる場所は弘…

29、啓蟄やときめき少し投函す(仲春)道春

29啓蟄やときめき少し投函す けいちつや ときめきすこし とうかんす 道春 啓蟄は、1年を24分割した暦の三番目の節目、期間です。 1立春(りっしゅん)は春の気配が立つころという意。 2月4日ごろから2月17日です。 2雨水(うすい)雪が融け、空から雨が降る…

27寒明けも間近き門の御霊燈(初春)道春

寒明けは、春の季語です。 寒とは、一年で最も寒いとされる期間です。それが明ける喜びはひとしおのはず、、今回の句は、それだけにさみしい句でした。 27寒明けも間近き門の御霊燈 かんあけも まじかきもんの ごりょうとう 道春 御霊燈とは、お葬式が行われ…