自分史を書いて運命振り返り

川柳が趣味だったおじいちゃんの句集を読み、祖父の歴史をたどるブログです。

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メニュー ★b川柳の紹介と俳句季語別一覧

秋の句

鎌を持つ農婦と立てる案山子かな

鎌を持つ農婦と立てる案山子かな かまをもつ のうふとたてる かかしかな 道春 案山子が秋の季語です。 案山子はありませんが、 秋に、実家の稲刈りをした写真があります。 お手伝い じつは‥ 田んぼの端を数メートル進んでギブアップ。 全部父と母がやりまし…

128かくれ里

威銃こだますのみの隠れ里 おどしづつ こだますのみの かくれさと 道春 (威銃・秋の季語) 近所の精米コーナーには、ひと気が無くなると、こぼれ落ちた米を喜んでスズメが食べにきます。 祖父のいう隠れ里は、これとは対照的に静かな山奥で、鳥獣被害をふせ…

123 setuko November

ちょうど6年前になります。 毎月第二火曜日に開催されていた まつかぜ句会。 当初祖父母二人で通っていましたが、 その頃には、おばあちゃん一人通っていました。 ポッキーの日だと思っていなかったでしょう? 小春日やお客は園児縄電車 里訛り聞けば懐かし…

121民芸品

立冬の11月7日もすぎ、暦の上では、冬になりますが、ちょっと待ったと秋の句を紹介します。 赤とんぼ民芸村は杉の底 あかとんぼ みんげいむらは すぎのそこ 道春 写真ac 一点さんより 赤とんぼは、秋の季語です。 杉の木樽を見たことで、 酒屋での奉公時代を…

120よつゆ

受験子の夜露へこぼす窓明かり じゅけんしの よつゆへこぼす まどあかり 節子 (受験子・春の季語、夜露・秋の季語) 受験子とは、受験をする子どもの意味です。 日が落ちると、急速に冷えてきて、空気の中の水分が、地面や植物の葉にしずくとなって付きます…

117なんてん

実南天大藁屋根の青き苔 みなんてん おおわらやねの あおきこけ 節子 実南天が三冬(さんとう)の季語です。 中国原産の低木で、漢名の南天燭(なんてんしょく)を短縮して、南天と呼ばれるようになったそうです。 赤い実がともしびに見えるという、 風流な…

116きり

桟橋を離るる船に霧薄れ さんばしを はなるるふねに きりうすれ 道春 写真acMiketombiさんより 選んだ写真には霧はたっていません。ごめんなさい。 桟橋とは、この写真のように、船が着岸するための陸から突き出た橋のことです。 祖父の句には、船が沖へでる…

115枯れ蓮

鳥立ちて枯れ蓮に黙戻りけり とりたちて かれはすにもく もどりけり 道春 鳥が去ったあとの余韻、しずけさに浸っている祖父を思い浮かべました。 写真ac一点さんより 枯れ蓮が三冬(さんとう)、冬の3ヶ月を表す季語です。 この鳥の名前が知りたくて、朝から…

114草もみじ

輪蔵の古書の匂へる草紅葉 りんぞうの こしょのにおえる くさもみじ 節子 滋賀県の園城寺の写真です。写真ac ⭐︎ken⭐︎さんより 輪蔵(りんぞう)について 調べてみますと、お寺に備えつけの回転書棚のことで、一回転すれば、そこに納められた経典を読んだのと…

113もず

鉄瓶の湯のたぎりをり鵙の贄 てつびんの ゆのたぎりおり もずのにえ 節子 鵙の贄が、秋の季語です。 食糧を保存する為等、諸説ありますが、もずがカエルなどを木の枝に刺して干物にすることを早贄(はやにえ)といいます。祖母は、お湯が早く沸く、早沸(は…

112新涼

新涼や嫁ぎ来し日の古ミシン 節子 新涼や盆地を生みし噴火口 道春 新涼(しんりょう)は、初秋の季語です。 新涼 書を読むという言葉があります。 これは、幕末・明治の儒学者、菊池三溪(きくちさんけい)のよんだ漢詩の一節だそうです。 秋は書物を読む楽…

108キク

野菊咲く島に一基の遊女墓 道春 平成19年10月21日 菊舎顕彰俳句大会にて のぎくさく しまにいっきの ゆうじょはか 遊女の墓は、全国至る所にあり、周囲の人が哀れみ、供養のために墓を建てることが多かったようです。 野菊は秋の季語です。 photoAC SRT101さ…

106只の糸に非ず

カンナ緋に寄る一門のひと部落 道春 平成三年 市芸術祭入賞 (カンナ、秋の季語) おじいちゃんの句集最後の句です。 かんなひに よるいちもんの ひとぶらく カンナには二つ意味が重なっていて、 大工さんの道具とも、 赤胴色の花を咲かせる植物にもとれます…

98秋

一つ知り二つ忘れし秋の暮 ひとつしり ふたつわすれし あきのくれ 道春 秋の暮がそのまま、秋の季語です。 仏間の壁に短冊がありました。 人生を四季に当てはめた句、俯瞰しつつ自分を見つめているように感じました。 ちょうどエアコンの向かいに柱があり、…

97サザンカ

山茶花の路地を残して俥消え さざんかの ろじをのこして くるまきえ 道春 さざんかは秋の季語。 椿の仲間です。 俥とは、人力車のことを指します。 生垣越しに人々の往来を見た日があったと想像しました。 花はのちに実をつけ、地面に落ち、 乾燥するとパカ…

96秋の季語(農林)

「読んでわかる俳句日本の歳時記 秋」小学館を読み進めていくと、田舎で暮らす父と母を思いました。 時候、天文、地理、植物、動物、生活、行事の7部のなかの生活を開くと、稲に関するものが多数。 これを全部するには骨がおれます。 生活の中でも農林に関…

95ふゆ支度

旧住所で来る宅配も師走かな きゅうじゅうしょで くるたくはいも しわすかな 節子 (師走、冬の季語) 送るふぐ来る栗こころ届け合い おくるふぐ くるくりこころ とどけあい 道春 (ふぐ、冬の季語、栗、秋の季語) お歳暮を思わせる俳句。 先週10月のはじめ…

94きび

黍の穂や生家は古き屋根瓦 きびのほや せいかはふるき やねがわら 節子 法要も無事に済ませし黍畑 ほうようも ぶじにすませし きびばたけ 道春 黍は、秋の季語です。 もしかしたら、愛媛に帰省した時に詠んだものかもしれません。 俳句と川柳は、祖父母の共…

93重機

hanacoさん提供 コスモスや首を憩めしショベルカー コスモスや くびを やすめし ショベルカー 節子 (コスモス、秋の季語) 蒲公英の村を消しゆくブルの音 たんぽぽの むらをけしゆく ブルのおと 道春 (蒲公英、春の季語) TokyoSunnyさん提供 コスモスは秋…

88あきからふゆへ

寒暖差が大きい季節ですね。 美しい秋の風景を題材にした俳句を紹介します。 鶺鴒の走る湖面の暮れゆける せきれいの はしるこめんの くれゆける 道春 〜島根県津和野にて (鶺鴒、秋の季語) この鶺鴒は、ハクセキレイという種類で目の下が白いのが特徴。た…

87「万葉の花」萩

このブログ、暗いですかね。 率直な意見を言ってくれる人がおります。 萩咲いて十三仏の黒衣 節子 はぎさいて じゅうさんぶつの ふじごろも (萩、秋の季語) ここで 十三の仏様とは、 初七日から、三十三回忌まで司る仏様たちのことで、法要の際、描かれた…

75季語道場その2

前回に引き続き、「夏井いつきの季語道場」NHK出版を読んでいきたいと思います。 テレビ放送に合わせて、毎月テキスト「NHK俳句」が発行され、この本は実に2年分の記事が詰まっています。内容盛りだくさん。玄人向けの本であったと若干弱気なまとめに入りた…

64 自分史を書いて運命振り返り

表紙には 句集 狭の朝 と金色の文字が中央並びます。 祖父の句集の題名を言っていませんでした。はざまのあさと読みます。 96ページに、題名に関係ありそうな句で、 朝刊を配る音のみ狭の霧 道春 (秋の季語 霧) とあり、山と山の間に霧がたつ冷たい朝の空…

54自分史を書いて運命振り返り

露に関する句を紹介します。 露(つゆ)踏んで今朝も同行二人かな 河野節子 露は秋の季語です。 二人とは、祖父母のことで、朝夫婦で散歩をして見た景色は、 登校の霧渡りゆく歩道橋 河野節子 だったようです。霧も秋の季語です。 どちらも、静寂とした、貴重…

53自分史を書いて運命振り返り

読書の秋にまつわる句を紹介します。 新しき辞書の匂へる秋灯 河野節子 読むよりも目立つところに大百科 父 秋立つや老視すすめる文机 河野草花(道春) 父の句に笑ってしまいました。 祖父の机には、まだまだ沢山の作品が残っています。

㊽自分史を書いて運命振り返り

運動会は、暑い中、引率の先生方のご苦労を思うと頭が下がりっぱなしです。出来上がったものを見る保護者より、先生の涙腺の方が緩いものかもしれません。 スタートがきれいに揃う秋日和 河野草花(道春) 昭和40年代に作った句です。 父をみて作ったものかと…

㊼自分史を書いて運命振り返り

朝晩は過ごしやすくなってきました。 行楽シーズン、登山に関する句を紹介します。 頂点へ命を賭ける山男 登山道横切る牛も野分(のわき)かな 野分とは、野の草の間を分けるほど強い風で、秋の季語です。 ジンクスへ挑む若さも登山靴 ここまで祖父です。 靴に…

㊻自分史を書いて運命振り返り

今回は、空の句を紹介します。 観覧車上がる平和な空高し 空高しは、秋の季語です。 去年は、祖父のお見舞いの後に、はいからっと横丁に立ち寄りました。カード迷路ぐるり森にハマってしまいまして、同じ迷路を10周しました。床が透明の観覧車もあります。小…

㊺自分史を書いて運命振り返り

今回は、お月さんの句を紹介します。 明月(めいげつ)を待つ庭先に猫も出て 脱穀機月を仰いで踏んだ日も ~牛と働いた父母を想う~ 河野草花(道春) 月は、秋の季語です。 一句目は、祖父が縁側で涼をとり、月見をゆっくりしている風景が目に浮かびました。 二…

㊴自分史を書いて運命振り返り

残暑厳しいおり、いかがお過ごしですか? 9月が始まり、頑張っているあなたに秋の気配を感じる句を紹介します。 急行を待つ単線や赤のまま 河野節子 赤のままとは、秋の季語で、粒状の赤い花が咲く野草をさします。子どもはそれを赤飯に見立てて、ままごとを…