自分史を書いて運命振り返り

川柳が趣味だったおじいちゃんの句集を読み、祖父の歴史をたどるブログです。

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㉒自分史を書いて運命振り返り

お題「最近知った言葉」

祖父の句集のあとがきの隅に、季語の索引があります。その中にある夏の季語の桜桃忌という言葉が引っかかりました。祖父の俳句は、

 

書き綴る雨の書斎や桜桃忌(おうとうき)

河野草花(道春)

 

とあり、梅雨に、家の中の書斎で過ごすのも良いもんだと、詠んだのかもしれません。

しかしながら、夏の季語。というのは、太宰治の晩年の短編小説「桜桃」をもとに、直木賞作家で親交もあった今官一が命日を桜桃忌としたそうです。

太宰治さんは、1909年6月19日に生まれ1948年6月13日に亡くなりました。1940年「走れメロス」、1947年「斜陽」、1948年亡くなる1ヶ月前、「人間失格」を発表しました。太宰治の忌日(きにち)が季語になるのは、その死が、残された人にとっていかに惜しまれたのか想像できます。

 

 

短編小説桜桃は、太宰治本人の語り口で、子煩悩な父親にも、冷酷な人間にもなりきれない、子どもなら美味しく食べるであろうサクランボを、自分だけ、不味そうに食べるという、愛人宅と思われるシーンで終わりました。気になる方は、インターネットで読んで見てください!親だって、こと1人になりたいと思います。人間だもの。余談ですが、9月に小栗旬さんが演じる太宰治が映画で見られるそうです。小栗旬なら、許します。

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