83思い出ぽろぽろ
何処かにたいせつな忘れ物をしたようで ひっそりと秋
という歌詞を合唱団に所属していた小学生の頃にうたいました。
忘れ物をするなんておっちょこちょいだな、私以外にもいるもんだ なんて考えながら歌っていましたが、今ならそのさみしさの意味がわかるかも。
本格的な秋になる前に、
春から夏の句を紹介したいと思います。
流人墓尋ねし磯の桜貝
美しく貝運命の砂を吐き 道春
桜貝は春の季語です。 桜貝は食用ではありませんが一番おいしい、旬の時期が季語の時期になるんですね。 祖父の俳句にはもっと深い意味があるのかもしれません。 ものを言わない貝になりたいといった使い方もします。
朝蝉や町に残れる農具鍛冶 道春
蝉は夏の季語。 鍛冶やさんは朝から働いていたのでしょう。 地域独特のホームセンターもなくなりつつあります。
煎餅の手焼き老舗を守る汗 節子
汗が夏の季語。 この他、玉の汗、汗ばむ、汗みどろ(吹き出る汗にまみれること)等あります。 煎餅屋さんの労をねぎらう祖母の姿が思い浮かびました。