127霜月
霜月の窯に盛られし清め塩
しもつきの
かまにもられし
きよめしお
せつこ
(霜月・冬の季語)
霜が降りる月だから、霜月。11月の和名です。
ぬくもりのある陶器に触れたい季節です。
写真ac 0829kさんより
大金を薪に使い、窯の中の温度を上げるために昼夜問わず炎と向き合うシーン、連続テレビ小説のスカーレットを思い出しました。こちらは、信楽焼で有名な滋賀県が舞台でした。
写真ac KJIYUさんより
焼き物の歴史は、1万6000年前の縄文時代までさかのぼります。
そこから弥生土器、古墳時代の埴輪、須恵器とつながり、奈良時代には、中国から渡った技術で、色がついた焼き物が登場します。
はじめての色は緑色で、緑釉(りょくゆう)という銅の酸化によるものでした。
鎌倉〜室町時代には、現在の六古窯(ろっこよう)と言われる、常滑(とこなめ)、瀬戸、越前、信楽(しがらき)、丹波(たんば)、備前(びぜん)などで、生産されます。
安土桃山時代には、茶湯の流行から、ますます盛り上がります。高麗風の焼き物として、萩焼も良く作られたそうです。
萩焼一輪ざし 輝ぼうさん より
江戸時代、有田で、陶石を発見した李三平のお陰で、磁器の生産がはじまりました。
磁器は、土でつくる陶器と違って石の粉でつくりますし、より高温で焼かれます。表面がツルツル、光が透けます。
のちに、伊万里港から、ヨーロッパに向けて、大量の磁器が輸出されたそうです。
磁器は各地に伝えられ、京都、九谷(くたに)、砥部(とべ)、瀬戸で作られました。
伊万里焼 写真ac シェルさんより
明治には、ドイツ人の技師により、石炭窯が取り入れられ、薪に頼らずにつくれるようになったそうです。
日本セラミックス協会のサイトを参考にしました。
ここまでお読み頂きありがとうございます。
^_^
塩を盛り、お酒を捧げるという神聖な窯の前にいる祖母を思いました。
立秋の祖国を遠く陶土練る
道春