148おふどう
お不動の目に移りゆく冬の山 道春
おふどうの
めにうつりゆく
ふゆのやま
不動明王、お不動さまと言われています、怒った顔の仏さまをご覧になったことはありますか。右目を天にむけ、左目を地にむけ、剣と縄をもち、燃えさかる炎を背にしています。
色々断ち切り、焼き払い、吊るし上げる荒々しい仏さま。
よく見ると火の中に鳥がいたり、山を修行するヒトを守ると言われ、親しみのある仏さまです。
千葉県にあります、
歌舞伎役者の初代市川團十郎が、子授けを願いしたところ成就し、親子でお礼の気持ちを表した演目をつくったところ、大盛況だった経緯で、市川家のお不動信仰が始まったとされています。
歌舞伎十八番の演目にもなっております。
いちばん得意なことを18ばん、お箱という由来もここからきています。
『不破-ふわ』『鳴神-なるかみ』『暫-しばらく』『不動-ふどう』『 嫐 -うわなり』『象引-ぞうひき』『勧進帳-かんじんちょう』『助六-すけろく』『押戻-おしもどし』『外郎売-ういろううり』『矢の根』『関羽』『景清-かげきよ』『七つ面』『毛抜-けぬき』『解脱-げだつ』『蛇柳-じゃやなぎ』『鎌髭-かまひげ』
見得を切るはお不動さまのお姿だった 市川海老蔵 古典への誘い(いざない)より引用
一つ一つ、魅力のある題名です。
蛇柳(じゃやなぎ)は、安珍清姫伝説の清姫の霊が取り憑いた男の話だそうです。
祖父の句にでてくる山は、成田山をさしているのでしょう。
掘れば掘るほど、面白いと感じる冬の日でした。
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