151さかなやさん
魚屋のトロ函つみ上ぐ十二月
さかなやの
とろばこつみあぐ
じゅうにがつ
節子
トロ箱とはトロール漁に用いられる箱の意。
倉場 富三郎という長崎の実業家が、
日本へはじめてこのトロール漁を導入したとあります。
三角形の袋あみを船でひき、
大量の魚を捕獲したため
木製の箱を積み上げる光景もありましたが、
70年代には、発泡スチロールにとってかわられたようです。
このトロール漁を導入した富三郎は、
イギリス人との混血との理由で、
世界対戦中、スパイ嫌疑をかけられ、
不自由な生活を強いられた晩年がありました。
富三郎は、長崎で水揚げされる800種類の魚を、
魚方言とともに克明に記録し(クラバー図鑑)、
この方の祖父の渋沢栄一は、くる2021年大河ドラマ「青天を衝け」の主人公です。
祖母の句は、様々な人が交錯する市場を連想しました。