③袋路の風ふくらみて初雀(新年)道春
元旦の淑気(しゅくき)ただよう朝には
普段見慣れた光景も
めでたく感じるそうです。
すずめには、
寒雀(かんすずめ)という季語もあります。
冬深く、さむざむとした景色
そのなかに生きるすずめに
生きとし生きるものの悲しみを感じると
以前読んだ本の作者、
飯田龍太さんが語っておられました。
それとは対照的にこの初雀には、
新しい年をよいものにしようという
期待のむくむくとふくらむような温かさ
わきの袋小路に目をやりつつ
新しい風の中で歩く祖父を想像しました。
ここまでお読みいただきありがとうございます。