44春禽の来ている朝の葱刻む(三春)道春
44春禽の来ている朝の葱刻む
しゅんきんの
きているあさの
ねぎきざむ
道春
タカやワシを猛禽類といいますよね。禽とは、鳥のこと。春禽は春の鳥です。
海を渡り、
繁殖時期をむかえたり、羽が抜けかわり
様々な声色で鳴く活気のある春の鳥をさしています。
祖父の句は、 朝食の味噌汁か、納豆に少し入れる薬味か
トントンと包丁の音が聞こえてきそうです。
朝のだしておくれ。
45合掌にはじまる一と日春耕す
がっしょうに
はじまるひとひ
はるたがやす
道春
耕(たがやし)という季語を親として、春耕(しゅんこう)、耕人(こうじん)、耕馬(こうば)といった子季語があります。
農作業というより、春を触りにいったという感じがします。どちらも朝の情景を詠んだ俳句。
46鐘三つ鳴る追分の声が澄み
かねみっつ
なるおいわけの
こえがすみ
道春
こちらは、以前紹介したお昼の川柳です。
47茶のうまさ夜更けてひとりちろり聞く
ちゃのうまさ
よふけてひとり
ちろりきく
道春
こちらははじめて活字になった俳句です。
まるでお酒をのむよう。
飲食の際、酒屋の丁稚奉公時代を思い出すようで、
語るときはいつもくやしそうな顔をしていました。
お酒を自転車で配達するそうですが、重たく、一度バランスが崩れるとむずかしかったのでしょう、
自転車ごとたおれて
お酒をだめにしてしまうことがあったそうです。
その日の晩御飯は、申し訳なくて食べられなかったそっちゃ。
朝、昼、晩をお読みいただきありがとうございます。
ごめんなさい。茶は、夏の季語でした。新茶、古茶(こちゃ)とあります。茶摘みは、春の季語です、様々な行程を経てお茶になります。