吟行句 まつかぜ句会 平成14年5月
旅行の楽しい季節となりました。
今からご紹介するのは、旅先で詠んだ吟行句です。
5月の下関、唐戸で
俳人仲間と集うなごやかな雰囲気が漂う俳句。
祖父が所属していました〈まつかぜ句会〉の在りし日を想います。
唐戸吟行句
クレーン船夏潮曳いて通りけり 恵美子
クレーンの海をつかみし大西日 零三
クレーン船と撮る海峡の薄暮かな 道春(祖父)
ひとりでは迷う買物街薄暮 まつ子
ふぐ皿の名所の絵柄に薄暮来る 節子(祖母)
絵皿にも物語あり義経忌 良江
もてなしは皿より重い柏餅 北星
五月尽馬関を盛し大絵皿 零三
夏祭ギネスをねらふ大絵皿 恵美子
幽界の雷の落し子目玉石 零三
先を行く少年のまづ夏に入る まつ子
廃校に立ち万緑の底なりし まつ子
手話の子と一と日遊ぶ甲虫 まつ子
空豆を大箱に買う美しき(はしき)人 恵美子
吟行ご協力有難うございました 零三
以上は
平成14年5月の会報で
点数の高い句の順に紹介されたものを
わたしが入れ替え紹介させて頂きました。
原本には誰がどの句に点数を入れたかまで詳細に書かれていました。
7人で採点し、自分の句には点は入れないシステムみたいです。
6点満点 満場一致の高得点をとった句は
釜飯の蓋押し上げて蟹の爪 良江
でした。
お昼にみんなで食べたのかもしれませんね。
5点で2位は
もてなしは皿より重き柏餅 北星
でした。
同じ景色を見ると、しぜんと俳句に出てくる言葉も重なり合い
「あなたの句もいいね。」と会話をしているように思います。
ここまでお読みいただきありがとうごさいます。