新年
はねおとは ひそかだけれど とんでみる 節子 これは、年賀状に添えてあった句です。 羽の動きは若い時とちがいままならないが 下をみないで上へ上へと 祖母自身が鳥になったような印象をうけました。 新しい年への挑戦、 祖父母のタフな精神が表れているよう…
塾というのは、松下村塾(しょうかそんじゅく)のことでしょう。 山口県萩市の松陰神社の敷地内に、 ほぼ当時の姿のまま保存されています。 平屋建て八畳と十畳の部屋に、 一月一日の朝日が差し込んだという風景を 詠んだのではないかと思います。 吉田松蔭…
耳なし芳一(ほういち)という男の話をご存知でしょうか。 祖父の俳句にでてくる平家像とは、 定かではありませんが、 平家の墓前にいる芳一、その光景を詠んだのかと思います。。 今に残る、下関市赤間神社を舞台にするお話で、 鎌倉時代、 「祇園精舎(ぎ…
えんぎものを振り返りつつ、 今回のかゆについて紹介します。 ohid.hatenablog.com こちらの俳句は、屠蘇の香がひとまとまりの季語です。 香りが強い屠蘇散(とそさん)という生薬を 日本酒とみりんに浸して作るそうです。 元旦に、一家の健康と長寿を願って…
祖父は、奉公先であった酒屋の写真を 大事にとっていました。 何十人もの職人さんと お揃いの前掛けをして 記念写真に収まる祖父の若いこと。 お酒の俳句をつくるとき 思い出したに違いありません。 筑後とは、福岡県を四つ(ほかに福岡、北九州、筑豊)に分…
福耳という言葉が、正月に相応しい俳句です。 新年の俳句は、一年に一つつくると決めていたようで。 毎日投稿するのは、 ちょっと贅沢なんですが、 さすがに一月も下旬となると、 相応しくないと感じてきました。すみません。 お屠蘇は グビグビ飲むものでは…
この写真は、 新年の季語にもなっている福寿草です。 名前からして縁起がよいですね。 旧暦のお正月、2月頃に咲く花で、 飾り物として、出回りますが、 野生種は絶滅に瀕しているそうです。 病院の受付にあった花は、鉢ものか、 カレンダーのイラストだった…
元旦の淑気(しゅくき)ただよう朝には 普段見慣れた光景も めでたく感じるそうです。 すずめには、 寒雀(かんすずめ)という季語もあります。 冬深く、さむざむとした景色 そのなかに生きるすずめに 生きとし生きるものの悲しみを感じると 以前読んだ本の…
下五しゅくきかなと読みます。 よく似た漢字で、胡椒(こしょう)を思い浮かべました。 この「椒」はかぐわしいという意味がありますが、 淑気の「淑」には、よい うつくしい やさしいという意味があるそうです。 このことばは、俳句の世界でしか、見かけな…
潮の香に明けゆく明治百年の初日おろがむ作業着のまま しおのかに あけゆくめいじひゃくねんの はつひおろがむ さぎょうぎのまま 河野道春~昭和四十二年の初出勤で~ 祖父が工場勤務の傍ら、初日の出を拝む光景が目に浮かびます。 昭和42年(1967年)、今か…
季語は、春夏秋冬ともう一つ、新年と言われるくらい、年明けの喜び、一年の計などを詠むことが多いそうです。 抱きて来し初子も見せて年賀かな 飾焚く(たく)煙りひろがり雨の杜(もり) 飾焚くとは、正月に行われる火祭りの行事。「とんど」「飾り焚く」等とよ…