自分史を書いて運命振り返り

川柳が趣味だったおじいちゃんの句集を読み、祖父の歴史をたどるブログです。

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メニュー ★b川柳の紹介と俳句季語別一覧

新年

羽音は密かだけれど飛んでみる

はねおとは ひそかだけれど とんでみる 節子 これは、年賀状に添えてあった句です。 羽の動きは若い時とちがいままならないが 下をみないで上へ上へと 祖母自身が鳥になったような印象をうけました。 新しい年への挑戦、 祖父母のタフな精神が表れているよう…

⑨初日満つ志士一門の塾畳(新年)道春

塾というのは、松下村塾(しょうかそんじゅく)のことでしょう。 山口県萩市の松陰神社の敷地内に、 ほぼ当時の姿のまま保存されています。 平屋建て八畳と十畳の部屋に、 一月一日の朝日が差し込んだという風景を 詠んだのではないかと思います。 吉田松蔭…

⑧初空へ平家の像は撥翳す(新年)道春

耳なし芳一(ほういち)という男の話をご存知でしょうか。 祖父の俳句にでてくる平家像とは、 定かではありませんが、 平家の墓前にいる芳一、その光景を詠んだのかと思います。。 今に残る、下関市赤間神社を舞台にするお話で、 鎌倉時代、 「祇園精舎(ぎ…

⑦由緒ある寺の一食かゆ御膳(新年)道春

えんぎものを振り返りつつ、 今回のかゆについて紹介します。 ohid.hatenablog.com こちらの俳句は、屠蘇の香がひとまとまりの季語です。 香りが強い屠蘇散(とそさん)という生薬を 日本酒とみりんに浸して作るそうです。 元旦に、一家の健康と長寿を願って…

⑥川舟を降りて筑後の年酒買ふ(新年)道春

祖父は、奉公先であった酒屋の写真を 大事にとっていました。 何十人もの職人さんと お揃いの前掛けをして 記念写真に収まる祖父の若いこと。 お酒の俳句をつくるとき 思い出したに違いありません。 筑後とは、福岡県を四つ(ほかに福岡、北九州、筑豊)に分…

⑤屠蘇の香のほのと福耳うつくしき(新年)道春

福耳という言葉が、正月に相応しい俳句です。 新年の俳句は、一年に一つつくると決めていたようで。 毎日投稿するのは、 ちょっと贅沢なんですが、 さすがに一月も下旬となると、 相応しくないと感じてきました。すみません。 お屠蘇は グビグビ飲むものでは…

④問診書書く受付の福寿草(新年)道春

この写真は、 新年の季語にもなっている福寿草です。 名前からして縁起がよいですね。 旧暦のお正月、2月頃に咲く花で、 飾り物として、出回りますが、 野生種は絶滅に瀕しているそうです。 病院の受付にあった花は、鉢ものか、 カレンダーのイラストだった…

③袋路の風ふくらみて初雀(新年)道春

元旦の淑気(しゅくき)ただよう朝には 普段見慣れた光景も めでたく感じるそうです。 すずめには、 寒雀(かんすずめ)という季語もあります。 冬深く、さむざむとした景色 そのなかに生きるすずめに 生きとし生きるものの悲しみを感じると 以前読んだ本の…

②滝音の石橋渡る淑気かな(新年)道春

下五しゅくきかなと読みます。 よく似た漢字で、胡椒(こしょう)を思い浮かべました。 この「椒」はかぐわしいという意味がありますが、 淑気の「淑」には、よい うつくしい やさしいという意味があるそうです。 このことばは、俳句の世界でしか、見かけな…

155初日

潮の香に明けゆく明治百年の初日おろがむ作業着のまま しおのかに あけゆくめいじひゃくねんの はつひおろがむ さぎょうぎのまま 河野道春~昭和四十二年の初出勤で~ 祖父が工場勤務の傍ら、初日の出を拝む光景が目に浮かびます。 昭和42年(1967年)、今か…

61新春俳句

季語は、春夏秋冬ともう一つ、新年と言われるくらい、年明けの喜び、一年の計などを詠むことが多いそうです。 抱きて来し初子も見せて年賀かな 飾焚く(たく)煙りひろがり雨の杜(もり) 飾焚くとは、正月に行われる火祭りの行事。「とんど」「飾り焚く」等とよ…