自分史を書いて運命振り返り

川柳が趣味だったおじいちゃんの句集を読み、祖父の歴史をたどるブログです。

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メニュー ★b川柳の紹介と俳句季語別一覧

蕗の香を一間に広げ誕生日 道春

ふきは菊科の多年草です。 春の風物詩で有名なふきのとうは、このふきの花芽で、茎が伸びる前に花が土から顔を出します。 俳句の世界でふきは、夏の季語で、初夏を表すそうです。 蕗はえぐみ、苦みがあるので下ごしらえが必要です。 塩を振って、まな板の上…

サラリーマン

第一生命の主催する「サラリーマン川柳コンクール」の話題を目にしました。 社内報の一つのコーナーからはじまったそうです。 1987年から公募を募り、35周年。 父も参加したことがあり、まだ覚えてるぞ!と 上司来て 話途切れて ネタが知れ豊之 と一句。 目…

鎌を持つ農婦と立てる案山子かな

鎌を持つ農婦と立てる案山子かな かまをもつ のうふとたてる かかしかな 道春 案山子が秋の季語です。 案山子はありませんが、 秋に、実家の稲刈りをした写真があります。 お手伝い じつは‥ 田んぼの端を数メートル進んでギブアップ。 全部父と母がやりまし…

読書「名医からのメッセージ10」”ぼけ”は宿命ではない 金子仁郎著 ごま書房発行

約40年前にこの本は出されています。 知識を得るには認知症の最新の本を読めばいいわけですが 今後30年たてば お年寄りを悩ます動脈硬化と、脳の老化の原因を突き止め 治療できる未来がくるのではと 著者の並々ならぬ期待は、こちら側をわくわくさせ 認…

吟行句 まつかぜ句会 平成14年5月

旅行の楽しい季節となりました。 今からご紹介するのは、旅先で詠んだ吟行句です。 5月の下関、唐戸で 俳人仲間と集うなごやかな雰囲気が漂う俳句。 祖父が所属していました〈まつかぜ句会〉の在りし日を想います。 唐戸吟行句 クレーン船夏潮曳いて通りけ…

感想 「ナースのための話し方教室」 著者 小六英介 日本看護協会出版社

わたしは、ナースではありません。 最初にことわっておく必要は特段ないのですが 話し言葉の研究をしていた著者の小六英介(ころくえいすけ)さんも ナースの立場ではなく患者の立場から書かれているので とても読み易い本でした。 「医療の根幹には3つの要…

感想 「話し上手」著者 本明寛 発行元 日本生産性本部

けっこう癖のある文章だと思いませんか? 心で話せ 人間の人間たるゆえんは、自己以外の人に対して、やさしい眼差をもつことである。 相手を思い、相手を察して話さねばならない。 コトバは道具であり、絵の具である。コトバをいえば話が通じるというわけに…

感想その②鑑賞歳時記第三巻秋 飯田龍太著

著者の飯田龍太さんがこの本で紹介される俳句の数は600句ほどにものぼり、それぞれの四季四冊では2000句を越えるでしょう。 全部読んだのと聞かれれば、へへっとごまかしたくなる量なんです。 飯田さんは俳人との交流も深く、知り合いの作品も多いようです。…

感想①鑑賞歳時記 第三巻 秋 著者飯田龍太

どこからも秋の声する旧軍港 藤井 幸 かつての軍港といえば、横須賀•佐世保•大湊•呉その他たくさん思い浮かぶが、(中略)「旧」の一字を忠実に印象させるのは呉あたりのように思われるかどんなものか。そのせんさくはともかく、この「旧」の一字には当然懐…

名人の座を守り得し扇子かな

めいじんの ざをまもりえし せんすかな 道春 父曰く、祖父は将棋が強く、一度も勝つことができなかったそうです。扇子が夏の季語。扇ぎ方一つとっても貫禄がありそうな人を想像しました。 私たち孫相手には、はさみ将棋で負けてくれました。

南風吹く山懐の奇兵墓地

みなみふく やまふところの きへいぼち 道春 南風(みなみ・なんぷう・はえ)と様々な読み方があり、南風吹くが三夏、5月6月7月使われる季語です。暑く湿っぽい風です。 奇兵隊というと、武士のみならず、町人、農民などで組織され、小倉城を攻めたり、長州…

羽音は密かだけれど飛んでみる

はねおとは ひそかだけれど とんでみる 節子 これは、年賀状に添えてあった句です。 羽の動きは若い時とちがいままならないが 下をみないで上へ上へと 祖母自身が鳥になったような印象をうけました。 新しい年への挑戦、 祖父母のタフな精神が表れているよう…

書に倦て郭公の庭手入れせり

しょにあきて カッコウのにわ ていれせり 道春 本日はおじいちゃんの俳句をご紹介します。 郭公(かっこう)が夏の季語です。 初夏にユーラシア大陸から渡ってきて夏の終わりに帰っていく鳥だそうです。 別名閑古鳥とも言われますが、のどかな鳴き声の割に、…

秋になりました。

俳句とは〇〇と、ひと言では言い表せませんが、華やかというより、寂しい感じを詠むことが多いように思います。 いつの世も、その時代を生き抜くのはとても大変かと思います。 出水(でみず)という季語があります。 河川の氾濫によって、洪水がおこる事を指…

鷲舞に引きつぐ子供神楽かな

鷲舞に引きつぐ子供神楽かな たかまいに ひきつぐこども かぐらかな 節子 鷲は冬の季語ですし、神楽も冬の季語でした。 夏神楽といって、夏の祓いに披露されることもあるようです。 大山車や数が足りない宿の下駄 おおだしや かずがたりない やどのげた 節子…

検針の喉に振舞ふ麦茶かな (三夏)

けんしんの のどにふるまう むぎちゃかな 道春 麦茶が季語になっています。 三夏(さんか)初夏、仲夏、晩夏にわたって使われる季語です。 汗をながしながら一軒ずつ検針して回る水道局の方の体調を気にかけた日があったようです。優しい祖父を思い出しまし…

藩米も渡せし川の夕蛍

「蛍がおったぞ。」と実家から一報がありました。 祖父も蛍の句をいくつかつくっています。 何処の川で詠んだのか クイズを出された訳でもないのですが 辿ってみたいと思います。 藩米も渡せし川の夕蛍 はんまいも わたせしかわの ゆうぼたる 道春 藩米とい…

外燈の昼を灯して送り梅雨

外燈の昼を灯して送り梅雨 がいとうの ひるをともして おくりつゆ 道春 送り梅雨が、晩夏の季語です。 梅雨(ばいう)は、かびをはっせいさせるあめ黴雨(ばいう)の当て字など諸説あります。 花菜雨(はななさめ)や芥子の雨(けしのあめ)のように、季節の…

墓道に(はかみちに)沿ふ家増えて夏燕

墓道に沿ふ家増えて夏燕 はかみちに そういえふえて なつつばめ 道春 夏燕は、三夏をあらわす季語です。 ヒナのために忙しくエサを探すつばめを詠むことが多いようです。 祖父は、妻と息子が眠るお寺さんに月に1度、お墓参りにいっておりました。 40年近く通…

足裏より書斎の冷へて芥子の雨

足裏より書斎の冷へて芥子の雨 あうらより しょさいのひえて けしのあめ 道春 けしは、罌粟とも書く初夏の季語です。 梅雨の寒さの中では、本よりも外の景色をみてしまう。昨日の日中はむしむし暑かったのに、朝は冷んやりしており、庭に勝手に生えてきたケ…

植え終へし便りも梅雨を潜り来し

植え終へし便りも梅雨を潜り来し うえおえし たよりもつゆを もぐりきし 道春 植えた植物は言わずもがな、稲の苗でしょう。 愛媛の実家は農家だったそうです。 梅雨に入る前に田植えが無事に終わった安堵の声が聞こえてきそうです。 てがみは、下関の祖父の…

独りとは耐ゆる事のみ実梅もぐ

独りとは耐ゆる事のみ実梅もぐ ひとりとは たゆることのみ みうめもぐ 道春 「実梅もぐ」が仲夏6月7月の季語です。 実梅は、黄色く熟した状態をあらわし、青梅に対する言葉となっているようです。 大量に梅をもいで、さて、どうしよう。 梅酒か梅ジュース、…

感想 竹山道雄著「ビルマの竪琴」をよんで

ネタばれになって、面白さが半減してしまうおそれがあります。 ご注意ください。 著者の竹山道雄さんは1903年(明治36年)7月17日生まれ、大阪出身で、東京大学の教授でした。 ビルマ(現ミャンマー)に行った経験はありませんでしたが、自分の教え子や日本…

紫陽花の風の運べる童声

紫陽花の風の運べる童声 あじさいの かぜのはこべる わらべこえ 道春 梅雨入りが聞こえてくる頃、雨の止んでいる間も、空はなんとなく薄暗い。 気分も憂うつであるが、あじさいのそばであそぶ子供の声は、からっと明るい。 笑い声まで聞こえる、そのような風…

感想 DVD エスパー伊東「昭和の遊び方」

エスパー伊東さんは、2018年12月に芸能活動を一時休業すると記者会見で発表されています。 本当に体調がわるそうで心配してご覧になった方も多いのではないでしょうか。 その後、股関節の手術をして療養しておられるようです。 (ものまね芸人のビトタケシさ…

塀越しに話のはずむ百日紅(さるすべり)

塀越しに話のはずむ百日紅 へいごしに はなしのはずむ さるすべり 道春 サルスベリが、夏の季語、中国原産、百日紅(ひゃくにちこう)とも言われ、花期が長く、人気の庭木でもあります。 紅色だけでなく 白色も。 ひと皮剥けたすべすべした幹が特徴です。 し…

裏庭にささやかな幸子と花火

裏庭にささやかな幸子と花火 うらにわに ささやかなさち ことはなび 道春 蚊取り線香の出番があったことでしょう。 夜の風景を切りとった句です。 祖父の子育てに関する句は他にもあるんですよ。 祖父は川柳のつもりでつくったと思いますが、 春や夏の季語が…

青蛙三段跳びに仏みち

青蛙三段跳びに仏みち あおがえる さんだんとびに ほとけみち 道春 ホップ!ステップ!ジャンプ! このかけ声をお聞きになったことはありますか❓ 三段跳びのとび方、むかしの英名を指すことばですが、検索すると、西城秀樹や、橋幸夫の出した曲の中に歌われ…

風揺する草にも縋る(すがる)梅雨の蝶

風揺する草にも縋る梅雨の蝶 かぜゆする くさにもすがる つゆのちょう 道春 この句の蝶には、軟らかい草にすがる危うさ、弱々しい印象をはじめは持ちましたが、そうした日も経て、生き物は生きているんだなぁと、生命の逞しさも感じました。 最近、天候が荒…

つくばいに実梅落して豪雨去る

つくばいに実梅落して豪雨去る つくばいに みうめおとして ごううさる 道春 つくばいとはなんだろうと検索しました。 日本庭園でよく見る石です。 茶室に入る際、神社のように、浄めて中に入ると良いようです。 手を洗う際、しゃがむことから、つくばい。 単…