2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧
「蛍がおったぞ。」と実家から一報がありました。 祖父も蛍の句をいくつかつくっています。 何処の川で詠んだのか クイズを出された訳でもないのですが 辿ってみたいと思います。 藩米も渡せし川の夕蛍 はんまいも わたせしかわの ゆうぼたる 道春 藩米とい…
外燈の昼を灯して送り梅雨 がいとうの ひるをともして おくりつゆ 道春 送り梅雨が、晩夏の季語です。 梅雨(ばいう)は、かびをはっせいさせるあめ黴雨(ばいう)の当て字など諸説あります。 花菜雨(はななさめ)や芥子の雨(けしのあめ)のように、季節の…
墓道に沿ふ家増えて夏燕 はかみちに そういえふえて なつつばめ 道春 夏燕は、三夏をあらわす季語です。 ヒナのために忙しくエサを探すつばめを詠むことが多いようです。 祖父は、妻と息子が眠るお寺さんに月に1度、お墓参りにいっておりました。 40年近く通…
足裏より書斎の冷へて芥子の雨 あうらより しょさいのひえて けしのあめ 道春 けしは、罌粟とも書く初夏の季語です。 梅雨の寒さの中では、本よりも外の景色をみてしまう。昨日の日中はむしむし暑かったのに、朝は冷んやりしており、庭に勝手に生えてきたケ…
植え終へし便りも梅雨を潜り来し うえおえし たよりもつゆを もぐりきし 道春 植えた植物は言わずもがな、稲の苗でしょう。 愛媛の実家は農家だったそうです。 梅雨に入る前に田植えが無事に終わった安堵の声が聞こえてきそうです。 てがみは、下関の祖父の…
独りとは耐ゆる事のみ実梅もぐ ひとりとは たゆることのみ みうめもぐ 道春 「実梅もぐ」が仲夏6月7月の季語です。 実梅は、黄色く熟した状態をあらわし、青梅に対する言葉となっているようです。 大量に梅をもいで、さて、どうしよう。 梅酒か梅ジュース、…
ネタばれになって、面白さが半減してしまうおそれがあります。 ご注意ください。 著者の竹山道雄さんは1903年(明治36年)7月17日生まれ、大阪出身で、東京大学の教授でした。 ビルマ(現ミャンマー)に行った経験はありませんでしたが、自分の教え子や日本…
紫陽花の風の運べる童声 あじさいの かぜのはこべる わらべこえ 道春 梅雨入りが聞こえてくる頃、雨の止んでいる間も、空はなんとなく薄暗い。 気分も憂うつであるが、あじさいのそばであそぶ子供の声は、からっと明るい。 笑い声まで聞こえる、そのような風…
エスパー伊東さんは、2018年12月に芸能活動を一時休業すると記者会見で発表されています。 本当に体調がわるそうで心配してご覧になった方も多いのではないでしょうか。 その後、股関節の手術をして療養しておられるようです。 (ものまね芸人のビトタケシさ…
塀越しに話のはずむ百日紅 へいごしに はなしのはずむ さるすべり 道春 サルスベリが、夏の季語、中国原産、百日紅(ひゃくにちこう)とも言われ、花期が長く、人気の庭木でもあります。 紅色だけでなく 白色も。 ひと皮剥けたすべすべした幹が特徴です。 し…
裏庭にささやかな幸子と花火 うらにわに ささやかなさち ことはなび 道春 蚊取り線香の出番があったことでしょう。 夜の風景を切りとった句です。 祖父の子育てに関する句は他にもあるんですよ。 祖父は川柳のつもりでつくったと思いますが、 春や夏の季語が…
青蛙三段跳びに仏みち あおがえる さんだんとびに ほとけみち 道春 ホップ!ステップ!ジャンプ! このかけ声をお聞きになったことはありますか❓ 三段跳びのとび方、むかしの英名を指すことばですが、検索すると、西城秀樹や、橋幸夫の出した曲の中に歌われ…
風揺する草にも縋る梅雨の蝶 かぜゆする くさにもすがる つゆのちょう 道春 この句の蝶には、軟らかい草にすがる危うさ、弱々しい印象をはじめは持ちましたが、そうした日も経て、生き物は生きているんだなぁと、生命の逞しさも感じました。 最近、天候が荒…
つくばいに実梅落して豪雨去る つくばいに みうめおとして ごううさる 道春 つくばいとはなんだろうと検索しました。 日本庭園でよく見る石です。 茶室に入る際、神社のように、浄めて中に入ると良いようです。 手を洗う際、しゃがむことから、つくばい。 単…
ゴールデンウィークがおわると、次は夏休みが視野に入ってくる方もいるのではないでしょうか。 5月5日から夏に入りました。 太陽の動きで一年を二十四に分けた暦、二四節気では、この日を立夏と呼び、夏の気配が立つという意味合いがあります。 更に、それを…
3年いっしょに暮らしているのに 名前はまだありません。 本日は、夏の風物詩、夏の季語にもなっていることにちなんで、うちの金魚を紹介させてください。 赤い和金 一番大きく、体調15センチありますが、一番臆病もので、水替えのあとは落ち込んでいます。エ…
初出は1950年(昭和25年)の本書は、その時代の雰囲気そのままに1990年(平成2年)に再び出版されました。 著者は、お医者さんで、病(やまい)に関する俳句のつくり方をまとめられています。 これを読むと、病院と一口に言っても色々な種類のものがあったこ…
夏蝶や明治の貌の円ポスト なつちょうや めいじのかたちの えんぽすと 道春 円柱状のポストを見たことはありますか? 現在の主流、街でよく見る回収袋の入るタイプの四角いポストは、1970年から製造されました。 それ以前に使われていた円柱状のポスト(丸ポ…
教えにも一命かけて虎の檻 一票の権利を生かす投票紙 一服の煙がうまい労働着 道春 3つの句に共通することばは何でしょう? 1つ目の句にわたしは、祖父母とサーカスを見に行ったことを思い出しました。 トラが出てくる内容だったかは余り覚えていませんが、…