自分史を書いて運命振り返り

川柳が趣味だったおじいちゃんの句集を読み、祖父の歴史をたどるブログです。

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読書「名医からのメッセージ10」”ぼけ”は宿命ではない 金子仁郎著 ごま書房発行

約40年前にこの本は出されています。

 

知識を得るには認知症の最新の本を読めばいいわけですが

 

今後30年たてば

お年寄りを悩ます動脈硬化と、脳の老化の原因を突き止め

治療できる未来がくるのではと

著者の並々ならぬ期待は、こちら側をわくわくさせ

認知症を患う人とその家族に寄り添う言葉には、ほっこりしました。

 

題名は昭和59年(1984年)、出版された当時の使われていた言葉を使っています。

 

ここからは認知症ということばに置き換えたいとはおもいますが

 

「自分がボケる前に、この病気を解明したい。」

 

というのが講演会での十八番で笑いをとっていましたが、これはマジなんだとせんせい。

 

町役場の戸籍課で、60歳以上の人の名前と住所を調べ、1軒1軒訪問して面接調査や心理テストをお願いし、心身の健康度やボケの程度を調べるわけですが、これが予想以上に大変でした。(作中より引用)

今では考えられないちょっとびっくりな調査方法です!執念ですね。

このような実態調査は先生がはじめてだと書かれていました。

研究費がなくて、紙とエンピツと頭だけでやれる研究しかできなかったそうです。

 

そこで家族から必ずと言っていいほどでてくる言葉があります。

「まだボケる年齢でもないのに・・・お隣のおじいちゃんなんか、同じ年齢なのに足腰も頭もしっかりしていらっしゃるんですよ」(引用)

 

そうなんです、個人差がとても大きい病気だと言えるんですね。

おおよその目安として、60代ではせいぜい1%以内、70代になると3~4%、80歳以上ではやはり20%ぐらいと考えてほぼ間違いないと思われます。(引用)

 

著者の年齢は、当時69歳。まだまだ若いと思いますが、

知能テストでは高校生、大学生にはかなわない。私たちの年齢になると、彼らの60%もできません。にもかかわらず、私が講義をしたり、本を書いたりできるのは、自分の専門領域を一生懸命やっているからだと思います。(引用)

豊かな知識と経験の蓄積が年配者の強みで、それが失われてきたとしたら、知能はだんだん衰えていくという危機感が先生を支えているように感じました。余談ですが、先生は、脳の神経細胞は増えないと書かれていましたが、最新の研究では増えるそうですよ。

 

ここからは箇条書きになりますが...

お年寄りの心理はとてもさびしい。

同世代の人々が亡くなり人間関係が狭まること。

人格の先鋭化、若いころの性格がよけいにきつくなること。

視力、聴力が弱まり家族の中でも孤独になりやすいこと。

何か悪口を言っていると感じるそうです。

 

 

そして家族にできることがあります。

異変をかんじたら専門医に相談することです。

認知症による失禁は就寝時にはじまることが多い。

昔話をきいたり、一緒に歌をうたったり、時間をかけてお年寄りの不満や劣等感を聞き、信頼を得ることが若い人にできることで、

過保護や、じゃまもの扱い、たらいまわしなど若い人とお年寄りの心理がうまく噛み合っていないことに問題はおこるようです。

 

祖父は晩年認知症を患っていましたが、とても穏やかな性格はそのままだったように思います。ここまでお読みいただきありがとうございました。

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