感想①鑑賞歳時記 第三巻 秋 著者飯田龍太
どこからも秋の声する旧軍港
藤井 幸
かつての軍港といえば、横須賀•佐世保•大湊•呉その他たくさん思い浮かぶが、(中略)「旧」の一字を忠実に印象させるのは呉あたりのように思われるかどんなものか。そのせんさくはともかく、この「旧」の一字には当然懐古の秋声を含み、併せて眼前ただいまの風景を二重映しにする。
〜抜粋〜
「私は呉だと思いますがどうですか?」
「そうともとれますね!」
俳人と解説者の会話が聴こえてきそうです。
今回は、鑑賞をしながら俳句の季語の使い方が学べる書、鑑賞歳時記の秋バージョンです。
旧軍港とは、調べてみますと、明治時代、日本の海を五つにわけ海軍の拠点として発展した港だそうです。
横須賀は神奈川県
大湊(おおみなと)は青森県
呉は広島
それから京都の舞鶴にも
有りました。
日清、日露戦争を前後し、それぞれの地は街の発展と共に人口も急激に増えたと聞きます。
この句には当時の面影が残る街並みと
何処か田舎の風情、虫の声が聞こえるという、和やかな空気を感じました。名句だと思います!
この飯田龍太さんの解説は本当に面白くて、ふせんをつけると11ありまして、全部ご紹介したいくらいですが、今日はこの辺りで…またよろしくお願いします。