97サザンカ
山茶花の路地を残して俥消え
さざんかの
ろじをのこして
くるまきえ
道春
さざんかは秋の季語。
椿の仲間です。
俥とは、人力車のことを指します。
生垣越しに人々の往来を見た日があったと想像しました。
花はのちに実をつけ、地面に落ち、
乾燥するとパカっとひらき
種が顔を出します。
それをせっせと集めて、油をしぼります。
父は、油を売る程は、種を集められないと大変さを語っていました。椿は万葉集に記述がある程、古くから愛される日本の木だそうです。
この写真は、山茶花です。
椿と山茶花の区別は、むずかしいですね。
花がある時は、散り際に注目して見たいところ。一枚ずつ落ちるのが、山茶花。ポトっと花がそのまま落ちるのが椿。
咲く時期にも早春から春の椿に対して、山茶花は秋、10月頃から咲き始めます。
椿に比べて山茶花の歴史は浅く、昔から厳密に分けられていなかったようです。
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人ひとり通れる道の落椿 節子