⑧初空へ平家の像は撥翳す(新年)道春
耳なし芳一(ほういち)という男の話をご存知でしょうか。
祖父の俳句にでてくる平家像とは、
定かではありませんが、
平家の墓前にいる芳一、その光景を詠んだのかと思います。。
鎌倉時代、
「祇園精舎(ぎおんしょうじゃ)の鐘の声〜」の冒頭で有名な
平家物語を
琵琶の音色に合わせて語る盲目の僧、芳一がおりました。
とくだん、壇ノ浦の戦いの語りは、聴くものの涙を誘いました。
ある日、夜な夜な目の見えない芳一が一人で出かけるのを
不審に思った和尚さんが後をつけてみると
芳一は、平家の墓地の中で、火の玉に囲まれ、雨の中一人弾き語っておりました。
このままでは、芳一が取り殺されてしまうと
和尚さんは、芳一の体にお経を書きました。
お経によって、平家の亡霊から身を守れる。
しかし、書き漏らしていた場所が…。
そうなんです。。
耳なしになっても
芳一は、いのちは落とさず助かっていますから
怪談が苦手な人も安心して下さい!亡霊も出なくなり、芳一の名声は広まります。
祖父の俳句は、楽器の琵琶に使う撥(ばち)を題材にするあたり、キレがあると思います。
初空が新年の季語です。
ここまでお読みいただきありがとうございます♪明日で新年終わりそうです。