92松尾芭蕉の旅その後
8.9月号のJAFメイトには、
『経年劣化と無縁の、日本の風景』と題して、
美しい最上川の写真と、
本の紹介
「子規の音」森まゆみ(新潮社)
という明治期の俳人、正岡子規を題材にした本の書評がありました。
この書評がまた、うつくしいです。
書かれたのは「八日目の蝉」を書かれた作家の角田光代(かくたみつよ)さん。
著者の森まゆみさんが、100年以上の時間差を越えて、子規に寄り添うように東北を旅する、紀行文に感動されていました。
句や歌というのは、目の前の「今」という瞬間を、季節や気候やにおいやもの音、すべてをひっくるめた光景を切り取り、真空パック状態で保存する。
真空パックとは、すごい。言い得て妙ですね。
旅をしたのは、東日本大震災のあとの2014年。2011年、JAFメイトで東北の記事を読んだ直後に、あの震災だったと記憶しています。
大変なことが起こったと思いました。
作中では、100年前と変わらず、時の止まった東北の風景が見られるそうです。
松尾芭蕉さんがどこに絡んでくるか、
その時代神格化されつつあった芭蕉の句を、評価しなかったのが正岡子規さんらしいのです。
おくの細道をする。
影響を与えたことには違いありません。