76 おばあちゃん、母と湯治に行く。
安宿に昼を聞こえる浪花節 道春
やすやどに
ひるをきこえる
なにわぶし
今年のお盆、施設に入っている祖母には、会えませんでした。そもそも、お寺さんにお経を唱えて頂く事自体断りました。
この夏は思い出がないと嘆かれます。
祖母と、思い出は何でも写真に撮っておかないといけんねーと話したことがあります。
祖母の母親のはなしなので、うん十年前です。
母親は晩年、皮膚が弱くなってしまって、親孝行にも母親を温泉に連れて行ったんだとか。
しかし、親が亡くなって、兄弟に話しても誰も覚えていないのが、悔しかったらしいです。写真があれば、信じてもらえるのに。
なんでも、温泉には、薬効成分があり、遠くから体を治しにくる人は、2階の座敷で、男女問わずごろ寝できる時代だったそうです。
そこで、寝ていた祖母は、
「若い女性がこんなところで寝ちゃあいかん。」と、
見知らぬ男性から声をかけられ、祖母と母親の二人は立派な旅館に泊まったそうです。帰り際、代金はもう頂いていますと言われ、その方は地元の名士だったと後で聞いたそうです。
そんな事ってあるの?私も耳を疑う話でした。
下心があったんじゃないか。いやいや、義理人情のあるお話、浪花節でした。
ブログにスターをつけて頂けることに、義理人情を感じます。えへへっと喜びます。