墓道に(はかみちに)沿ふ家増えて夏燕
墓道に沿ふ家増えて夏燕
はかみちに
そういえふえて
なつつばめ
道春
夏燕は、三夏をあらわす季語です。
ヒナのために忙しくエサを探すつばめを詠むことが多いようです。
祖父は、妻と息子が眠るお寺さんに月に1度、お墓参りにいっておりました。
40年近く通っていたらその道中の風景も変わったでしょうね。
お寺までは2キロ弱でした。
祖父の家は山の方ですから、坂道をテコテコくだります。
山を下ると、郵便局や、銀行、商店街、病院があります。
私ごとですが、和菓子のお店が幼稚園の先生のご実家でした。
妹と先生に手を振りに行くのが楽しかったことを思い出します。
夏祭りなど、商店街がにぎわうとき、先生は実家をてつだっていました。
いつも父の車に便乗していて気づきませんでしたが徒歩で生活するとなると、祖父の家は不便です。
祖父にはそれも俳句の材料になるのだろうと思いました。
日々を営んでいる人も風景の一部になって切り取られているように感じました。