打診待つ人へ燕の巣作れる(仲春)道春
つばめは、家の玄関やお店の軒下など人通りの多いところに巣をつくり天敵のカラスから身を守っています。
逆にいうと、つばめの巣をかける場所は、人通りが多いので、商売繁盛や、家の繁栄の印とされていました。
燕に関する言い伝えは様々あります。
巣つくれる家は、無病息災、燕の巣は縁起もの。
怖いもの代表、火事、オヤジですが、燕は野生の勘でそのような災いがない家を選ぶといいます。
「燕が低く飛ぶと雨が降る」
ということわざもあり
これは餌となる昆虫が湿気をおびて低く飛ぶからと、もっともらしく感じます。
打診待つ人へ燕の巣作れる
だしんまつ
ひとへつばめの
すつくれる
道春
ごはんまだかな〜て待ってるの♪おしゃべりしそうなつばめの子。
打診とは、相手に ことを伝えて様子をみることです。
祖父の句は、相手からの返答を待っていると、燕が巣をつくりにきた、吉報の予兆かと喜ぶ家主を想像させます。
なんのお返事だったのかわかりませんが、その人に春を運んできたようです。また燕に巣をつくらせる家は、汚れてしまうのも厭わない優しい人が住んでいるともいえます。
祖父は、燕の句を沢山つくっていました。俳句の中の生き物にも物語りを感じます。
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