藤房の奥に覗ける石ほとけ 節子
藤房の奥に覗ける石ほとけ
ふじふさの
おくにのぞける
いしぼとけ
節子
祖母は、おくの細道ではありませんが、物ごとの奥に何があるかを見ようとしている気がします。
ここからは祖母の日記です。
お父さんは近頃少々具合が進んだようだ。
くすりも2年間位で効力が無くなると何かに出ていた。
近頃だんだん悪くなるようだ。
大事にしてあげようと思う。
節子も頭が近頃重くだる〜い。
なんとしてもお父さんを守り、家族も守りたい。
節子もう少し頑張ろう。
すぐ忘れるお父さん。
節子も忘れることでしょう。仕方ないが淋しい、悲しい。
皆でしっかりお父さんを守りましょう。
平成28年1月30日
とても不思議なことです。27年12月に高齢者施設に祖父母同時に入居しました。
おばあちゃん、施設からわざわざタクシーを使って自宅に保存しに来たということです。
中々歩けないのにどうして。
無理して帰らなければ、私が手にすることはなかったでしょう。
俳句も平成27年2月で辞めたと書かれています。
一生は早いもの。あと何年で空にゆくか。早世の弟達の後をおう。主人のため家族のため、守り残る世をお父さんと共に走ろう。
23年3月1日節子
おばあちゃんは有言実行の人です。自分を鼓舞する様に、時に私達に語りかけるように、おじいちゃんのことを守ろうとしていました。「おばあちゃんは やりきっちゃったんやね。」と母は話していました。きっと後悔したくなかったんだと思います。女の意地を見せてもらいました。