自分史を書いて運命振り返り

川柳が趣味だったおじいちゃんの句集を読み、祖父の歴史をたどるブログです。

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メニュー ★b川柳の紹介と俳句季語別一覧

鷲舞に引きつぐ子供神楽かな

鷲舞に引きつぐ子供神楽かな

たかまいに
ひきつぐこども
かぐらかな
節子

鷲は冬の季語ですし、神楽も冬の季語でした。

夏神楽といって、夏の祓いに披露されることもあるようです。

 

大山車や数が足りない宿の下駄

おおだしや
かずがたりない
やどのげた
節子

山車が目の前を通ると聞いて、外に出たいのは誰も同じようです。

 

数珠たすき解く老祢宜に祭終ゆ

じゅずたすき
とくろうねぎに
まつりおゆ
道春

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祭りへの熱を感じる句を紹介しました。

ここまでお読みいただきありがとうございます♪

検針の喉に振舞ふ麦茶かな (三夏)

けんしんの

のどにふるまう

むぎちゃかな

道春

麦茶が季語になっています。

 

三夏(さんか)初夏、仲夏、晩夏にわたって使われる季語です。

 

汗をながしながら一軒ずつ検針して回る水道局の方の体調を気にかけた日があったようです。優しい祖父を思い出しました。

 

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藩米も渡せし川の夕蛍

「蛍がおったぞ。」と実家から一報がありました。

 

祖父も蛍の句をいくつかつくっています。

 

 

何処の川で詠んだのか

クイズを出された訳でもないのですが

辿ってみたいと思います。

 

藩米も渡せし川の夕蛍

はんまいも
わたせしかわの
ゆうぼたる
道春

藩米というワードで一気にタイムスリップした感覚を覚えました。

下関市を流れる壇具川(だんぐがわ)には、かつて藩米を貯蔵する蔵がならび、今でもゲンジボタルがいるそうです。

 

 

また、下関市にはホタルの里ミュージアムがあります。

そのサイトによると、日本に50種類いる中、9種類の蛍が市内に生息しているそうです。

 

県境の宿に一会のほたる来る

けんきょうの
やどにいちえの
ほたるくる
道春

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山口県は、広島や島根と接しています。

県境の蛍というと、SL山口号の終点、島根県の津和野かもしれません。

 

畑迫地区もホタルバスが走り、観光スポットになっています。

 

蛍の住む川を見て、一句いいですね。

一期一会を楽しむ祖父を想像しました。

ここまでお読み頂きありがとうございます。

 

 

 

 

 

外燈の昼を灯して送り梅雨

外燈の昼を灯して送り梅雨

がいとうの
ひるをともして
おくりつゆ
道春

送り梅雨が、晩夏の季語です。

梅雨(ばいう)は、かびをはっせいさせるあめ黴雨(ばいう)の当て字など諸説あります。

 

花菜雨(はななさめ)や芥子の雨(けしのあめ)のように、季節の植物で表現して、実梅(みうめ)に降る雨という意味にとる方がカビより良い気がします。

 

祖父の句には、日中ぼんやりと外灯がともる人けのない風景を思い浮かべました。

 

そんな日々もおわりはくる。あと少し!

梅雨明けへの期待も感じました。

 

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墓道に(はかみちに)沿ふ家増えて夏燕

墓道に沿ふ家増えて夏燕

はかみちに
そういえふえて
なつつばめ
道春

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夏燕は、三夏をあらわす季語です。

ヒナのために忙しくエサを探すつばめを詠むことが多いようです。

 

祖父は、妻と息子が眠るお寺さんに月に1度、お墓参りにいっておりました。

40年近く通っていたらその道中の風景も変わったでしょうね。

 

お寺までは2キロ弱でした。

 

祖父の家は山の方ですから、坂道をテコテコくだります。

山を下ると、郵便局や、銀行、商店街、病院があります。

 

 

私ごとですが、和菓子のお店が幼稚園の先生のご実家でした。

妹と先生に手を振りに行くのが楽しかったことを思い出します。

夏祭りなど、商店街がにぎわうとき、先生は実家をてつだっていました。

 

いつも父の車に便乗していて気づきませんでしたが徒歩で生活するとなると、祖父の家は不便です。

 

祖父にはそれも俳句の材料になるのだろうと思いました。

日々を営んでいる人も風景の一部になって切り取られているように感じました。

足裏より書斎の冷へて芥子の雨

足裏より書斎の冷へて芥子の雨

あうらより
しょさいのひえて
けしのあめ
道春

けしは、罌粟とも書く初夏の季語です。

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梅雨の寒さの中では、本よりも外の景色をみてしまう。昨日の日中はむしむし暑かったのに、朝は冷んやりしており、庭に勝手に生えてきたケシは花びらを落として耐えているのでした。

 

 

原産地のイギリスではポピーというそうです。小学生時、同名の通信教育のプリントを思い出します。

 

話はかわりますが、

 

うちの庭に植えた猫の草、もう5番刈りくらいになって、穂がつきました。一番刈りよりも硬くなった茎も全部食べました!
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暑かったり、寒かったりです。からだを大切にしてください。

ここまでお読み頂きありがとうございます。

 

植え終へし便りも梅雨を潜り来し

植え終へし便りも梅雨を潜り来し

うえおえし
たよりもつゆを
もぐりきし
道春

 

植えた植物は言わずもがな、稲の苗でしょう。

 

愛媛の実家は農家だったそうです。

 

梅雨に入る前に田植えが無事に終わった安堵の声が聞こえてきそうです。

 

てがみは、下関の祖父の家まで、橋を渡って陸路で運んでくださるはずですが、梅雨の季節の紙は、空気中の湿気を吸い、何処かを潜ってきたように柔らかいことを詠んだようです。

 

おまけにもう一つ。

祖父の2冊目の作品集から落選したもの

 

走り根につまずく梅雨の箒かな

はしりねに
つまずくつゆの
ほうきかな
道春

 

雨の止み間にいそいで掃除をしていると、おっと、根っこにつまづいたようです。箒をもつ、綺麗好きな祖父を想像しました。

父が「カエルは何処でしょうクイズ」をLINEで送ってくれます。

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答えの画像もすぐ送ってきてくれます。


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あんまり考える時間がないクイズです。ここまでお読み頂きありがとうございます。