113もず
鉄瓶の湯のたぎりをり鵙の贄
てつびんの
ゆのたぎりおり
もずのにえ
節子
鵙の贄が、秋の季語です。
食糧を保存する為等、諸説ありますが、もずがカエルなどを木の枝に刺して干物にすることを早贄(はやにえ)といいます。祖母は、お湯が早く沸く、早沸(はやにえ)とかけました。
夕鵙に稲荷修復音止みぬ
道春
鵙は、色々な声色でなくことから百舌鳥とも書きます。
テリトリーを守る為に警戒して鳴く声は、地鳴き(じなき)といいます。聞いて見ますと、これは、道路のアスファルトを固める音に似ていました。ジャジャジャッとなきます。
他に、季語として、鵙の高音(たかね)があります。キーい、キーいというかんじ。
祖父の句は、夕方に鳴くモズのように鳴り響く修復音に耳を傾けています。日が落ちるまで働いている工事関係者の姿が目に浮かびました。
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