116きり
桟橋を離るる船に霧薄れ
さんばしを
はなるるふねに
きりうすれ
道春
写真acMiketombiさんより
選んだ写真には霧はたっていません。ごめんなさい。
桟橋とは、この写真のように、船が着岸するための陸から突き出た橋のことです。
祖父の句には、船が沖へでる間のひとときを感じます。
霧は秋の季語です。
白い水蒸気が、地面や水面にあつまる現象は、春にも起こり、霞(かすみ)、春の季語として詠まれます。
御仏(みほとけ)の視野に霞めり日本海
節子
写真acみかんうどんさんより。
実は瀬戸内海の写真です。
祖父母、秋と春の句を並べました。
祖母は、唐戸の方に土地勘がありよく出歩いていました。
御仏の視野という解釈が難解ですが、先を見通す広い視野という意味ではないか、人間には霞んでしまうという戒めもあるように感じました。