自分史を書いて運命振り返り

川柳が趣味だったおじいちゃんの句集を読み、祖父の歴史をたどるブログです。

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124芭蕉の内なる西行を読んでその2 百人一首

著者は、ほめているのでしょうか。

たくみに権門にとり入り、あくなき収奪(しゅうだつ)で富を積む受領タイプと、

ゆたかな才能をもちながら世渡り下手な文人タイプと、

同じ中・下級官人層の中にも対照的な両タイプが生まれた。 そして、百人一首の官人作者は、気の毒なことに、おしなべて後者に属するのである。 引用-目崎徳衛著「芭蕉の内なる西行」 [f:id:ohid:20201113073040j:plain]

目崎徳衛著の本には、西行について深い考察がつまっています。

「ここにも西行いるよ。」

ということで、時は鎌倉、百人一首の時代にまで

さかのぼってきました。

選者の藤原定家の好きな歌(恋の歌や秋の歌)へのかたよりは

否めずども、選ばれた百人に異論はないと著者も納得の様子です。

百首の歌の出典は、「古今和歌集」24首を筆頭に、11冊和歌集をあげ

作者の身分は、天皇8人、親王1人、内親王1人、官人58人、僧侶13人、女性19人。

著者は、天智天皇の歌には、王朝の美を、

先に触れた官僚には、退位、失脚を余儀なくされた政治へのうらみ そして 清少納言らの才女につづく、遁世(とんせ)歌人には 冷えさびた美意識があるといいます。

そして、王朝の落日がみえる終盤、百人一首の最後に付け足された後鳥羽院の歌にあらわれる憤りは 承久の乱をひき起こし、結果は皆さんご存じのとおりと書かれています。

敗れて隠岐に流されてしまったことは、敢えて口に出しませんでした。

著者は、中世のはじめに結晶した百人一首を 王朝文化の歴史そのものと評価しています。

ちょっと、むずかしい本でした。

人生がうまくいかないときほど、筆がすすむということでしょうか。それもイヤです。

実朝さんは、季語にもなっていることを、以前書いたよしみで、

「鎌倉右大臣として源実朝さんも百人一首にいるよ。」 と私は最後に付け加えたいと思います。

ohid.hatenablog.com] ここまでお読みいただきありがとうございました!