54神鶏の語尾にふくらむ松の花
54神鶏の語尾にふくらむ松の花
(松の花・晩春)
神鶏は、しんけいと読み
神社に飼われているトリくらいに思っていたらいけないようです。
古くは神話に登場、天照大御神(あまてらすおおみかみ)が岩の戸の中に閉じこもった際、他の神々に夜明けを告げるように集められ、鳴いたのが神の使いになったはじまりだそうです。それだけでは出てきてくれなかったみたいですね。
祖父の句は、松の花に似ていて美しい尾の様子を詠んだのではないかと思います。
55網小屋に涛声こもる日永かな
道春
(日永・三春)
涛声(とうせい)とは、本来波の音をいう言葉ですが、ここでは、けたたましい鳥の鳴き声のように思います。
鶏にも様々な性格があり、犬に喧嘩をふっかける勇敢なモノもいたと、母方の祖母から聞いたことを思い出しました。
鶏と共に時間をすごし、冬の頃より日が長くなったなぁと感じた祖父を想像しました。
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