自分史を書いて運命振り返り

川柳が趣味だったおじいちゃんの句集を読み、祖父の歴史をたどるブログです。

にほんブログ村 ポエムブログ 川柳へ
にほんブログ村

メニュー ★b川柳の紹介と俳句季語別一覧

初蝶や武蔵運びし潮寄せ来(春)道春

初蝶や武蔵運びし潮寄せ来

はつちょうや

むさしはこびし

しおよせき

道春 

武蔵国(むさしのくに)という地名は、現在の東京都、一部の埼玉、一部の神奈川を含む領域に相当するそうですが、潮が運ぶというのは合点いきません。もしかしたら、武蔵国から名前をとった軍艦「武蔵」のことかもしれません。軍艦の名前には、旧国名をつけることが多く、戦艦「長門」以外は、終戦時、航行できる戦艦はなかったといいます。終戦後も、祖父は海にしずんだ船のことを考えていたんですね。

 

荒壁に張り付く蝶の深眠る

あらかべに

はりつくちょうの

ふかねむる

道春

 

張り付くというと蛾(が)のような不気味な雰囲気が漂っていますが、深く眠って起きてこないところをみると、可哀想な気もします。

 

春の音運ぶボンベの触れ合える

 はるのおと

はこぶぼんべの

ふれあえる

道春

 祖父の自信作で、赤い〇がついていました。

ガス管が通っていない田舎では、空になるガスのボンベをころころ転がして取り替えてもらいます。私もよく転がっていかないように、運べるもんだと作業員さんを見ていますが、祖父も見ていたのではないでしょうか。

初蝶や一族寄れる公卿墓

はつちょうや

いちぞくよれる

くぎょうはか

道春 

 

もとは、天皇、または朝廷を公家(こうけ・おおやけ)と指していましたが、

鎌倉時代以降、武力で天皇に仕える武家に対する言葉として、ほかの宮廷貴族を公家(くげ)と呼ぶようになったとあります。さらに公家の中でも、位の高い役職を公卿(くぎょう)と呼び、中国王朝の行政にならったそうです。太政官制という太政官が一番偉い制度は1885年内閣制度が発足するまで続き、世襲のつづく血の濃ゆい世界を感じました。