秋になりました。
俳句とは〇〇と、ひと言では言い表せませんが、華やかというより、寂しい感じを詠むことが多いように思います。
いつの世も、その時代を生き抜くのはとても大変かと思います。
出水(でみず)という季語があります。
河川の氾濫によって、洪水がおこる事を指し、夏出水、秋出水といった使い方をします。
出水あと諦めて虫ききゐしか
金鈴
秋の出水のために家が浸水した。(中略)いまはようやく水も退き、そこらが片付きはじめたけれど、ふたたび立ちあがる気力がおこるのはいつの日のことであろうか。そう思いつつ、ふと気がつくと、夜もだいぶふけて、窓の下の草では虫が鳴きつづけている。(水原秋桜子著俳句作法辞典より引用)
俳句をつくった人と、解説者の秋桜子さんと、このブログを読んでくださっている方と、同じ日本に住み、秋を感じることに、泣きたくなる日でした。
俳句を詠むに至るまでは、かなり時間がかかるのではないか。
すべてをあきらめる心境になりかねませんが、この俳句を詠んだ作者から、私もこれを書けるまでになったと言われたような、そんな気がしました。