夏蝶や明治の貌(かたち)の円ポスト
夏蝶や明治の貌の円ポスト
なつちょうや
めいじのかたちの
えんぽすと
道春
円柱状のポストを見たことはありますか?
現在の主流、街でよく見る回収袋の入るタイプの四角いポストは、1970年から製造されました。
それ以前に使われていた円柱状のポスト(丸ポスト)は、中の手紙をかき出す必要があります。
効率は悪くとも、この歴史のある丸ポストを保存していこうという動きがあるそうですよ。
郵便事業の歴史を今に残すところ。
日本の郵便事業は、イギリスを見習って明治にはじまります。
postという白い文字にはその名残りを感じますね。
明治政府は、交通と通信のシステムを作ることで、外国と肩を並べたいという願いがありました。
これを実現するべく駅逓司(えきていし)という官庁のトップについた前島密(まえじまひそか)という人物がおります。
事業をスピーディーに確立するために、既存のモノを利用できないか?
江戸時代は、交通の要所に人馬を提供する宿駅(しゅくえき)を配し、宿駅間をリレー形式でモノや文章を運ぶ仕組みがあったのですが、これを陸運会社として転用することで、江戸時代のシステムを有効に活用しました。
また、身分の高いものにしか使えない公用のシステムを、国民に広く使えるようにしたそうです。
寄り道しました。
夏蝶が夏の季語です。なつかしさと儚さを感じる句です。
ここまでお読みいただきありがとうございました。